ここに住む 魅力を届ける 秋の奈良
2013.09.29 | 授業 | by Staff
広報課“よったか”です。
秋晴れの今日9月29日(日)は、奈良ひとまち大学の3周年記念特別授業の日です。
スタッフ“かっぱ”が綿密なスケジュールを組み、機材を載せたワンボックスは、もちいどの駐車場に着きました。
午前中の特別授業は、
「奈良で暮らし、働く、ということ ~もっと、もっと!街を楽しく~」
というタイトルのもと、様々な分野で奈良に関わる3人の先生によるトーク。
チラシを作成し広報したところ、早い段階からどんどんと申込みが殺到し、当初の予定だった50人の定員を急遽70人に増員して対応することになりました。
教室は、もちいどの商店街にオープンしたばかりの「きらっ都・奈良」です。
「きらっ都・奈良」が開いたのが9時。
9時45分の受付まで時間がありません。
朝礼の後、スタッフ数人で丁寧かつ急ぎで、準備します。
初めて使用する教室に、とまどいながらも、準備が次々に進みます。
準備が整いかけていたころ、先生方が到着されました。
すでに打合せ前からお知り合い同士。
始まる前から談笑が聞こえます。
コーディネーター
奈良国立博物館 学芸部長 西山 厚さん
パネリスト
ホテルサンルート奈良 代表取締役社長 中野 聖子さん
合同会社EditZ 編集者 白崎 友美さん
受付が始まりました。
まったくジャンルの違う3人のトーク。
なかなか聞けないこの機会に学生として来場される方は、最前列から席を埋めていきます。
奈良の人は(?)遠慮して、席は真ん中くらいから埋まっていくものと思っていたスタッフは、学生たちの喰いつき感にびっくりしました。
満席になった教室は熱気に包まれ、学生たちは手元に配られた資料を穴が開くほど見ています。
いよいよ授業の開始です。3人の先生方が登壇すると、大きな拍手が。
マイクをにぎった西山さんは、開口一番・・・
「今日はおふたりに喋ってもらうことにしています。私は喋りません。」と宣言。
まずは中野さんから、生い立ちと奈良に関わる活動のすべてを話してもらうことになりました。
西山さんが指定したのは15分。
ならまちの尾花座・尾花劇場を家業としていた生家。
ホテルへと業態を変え、今に至る経緯。
そして、「なら燈花会」「ボランティアガイドの会」「奈良検定」に至るまで、様々な活動を通して感じた奈良とは。
スタッフが聴き入ってしまうほど流暢な話しぶりで、あっという間の時間でした。
次に白崎さん。
実家が奈良なのに奈良のことを知らず、生活していたこと。
いろいろな職場を巡り、奈良にたどり着いた今。
3年を区切りに環境を変えるなか、奈良の魅力は改めて感じているところだと言います。
西山さんは、おふたりの表現力に感心しきりでした。
授業の内容は、授業レポートも併せてご覧ください★
「決意を新たに」
http://nhmu.jp/report/16204
おふたりに共通して言えるのは、
一度は、奈良が嫌になる時期、奈良に魅力を感じなくなる時期があったこと。
外から奈良を見て、初めて感じるものがあるということ。
西山さん自身は、出身は奈良ではないですが、今は奈良にどっぷりと浸かって、その魅力に取りつかれ、発信していきたいと思っているそう。
ここで、学生たちにもマイクが向けられます。
お話を聞いて、学生たちはどう感じているのか。
「自分ならこうしていきたい」といった、奈良に対する思いが問いかけられます。
トークの中にあった、奈良の足りないところは広報だという話。
「広告費にお金をかけられるとしたら、どのように使いますか」という真をついた話。
「奈良市内の有名社寺は回ったが、奈良に他に見所は?と聞かれたら、どこだと答えますか」との話。
みなさん、それぞれに思いをぶつけます。
西山さんは、奈良は魅力的である一方で、このままダメになっていくのかなと思う一面もあると感じるとのこと。
奈良を輝かせる若い世代が、奈良の魅力に気づき発信していかなければと。
この奈良ひとまち大学のような活動がこれからも続き、奈良の知られていない良さを掘り起こしてくれればと、お褒めの言葉もいただきました。
最後は「喋らないつもりが話し込んでしまいましたと」西山さん。
まだまだ喋り足りないといったご様子でした。
博物館学芸員、ホテル業、編集者。
それぞれの職業から見た奈良。
我々もここに住まい、働いている人として、この立場だから発信できる奈良を探し出し、伝えていけたらと思った時間でした。
(よったか)