自転車と 富雄の街は 咲く華の にほふがごとく 今盛りなり
2013.12.22 | 授業 | by Staff
広報課の“よったか”です。
今日は12月22日(日)。
クリスマスのイルミネーションに彩られる富雄は
忙しそうに人々が往来します。
授業は「自転車で愉しむ、奈良ライフ ~富雄の長屋の自転車店~」。
師走の低い太陽の光が、大正時代に建てられた
レトロな店内の天窓から降り注ぎます。
今回の教室は近鉄富雄駅から徒歩3分。
コンビニの裏路地にひっそりとたたずむ自転車店です。
先生は、自転車店TRANSITオーナーの向井健太さん。
富雄が好きで、富雄に住み、ここで仕事がしたかったという先生。
自転車店をオープンするきっかけなどはなんだったのでしょうか。
学生は12人ですが、小さな店内のため会場準備が必要です。
8:30より、先生と一緒に自転車の引っ越し作業をします。
店内にある自転車はお客さんからの預かりもの、売りもの、
向井さん自身のものなど
カラフルなカッコいいものばかりです。
事前に用意していただいたスライドショーを見るスペースを確保するため
さらに展示物の大移動が始まります。
そこで、「朝ご飯まだなんです。」と先生。
急いで、お気に入りのタイカレーを口にした先生は
店内に漂うアジアンな香りを少し気にしておられるようです(笑)。
スタッフ“Mochi”と“もりぞー”と合流したあと
路地への入り口にのぼりを持って立ちます。
富雄は奈良市内でもっとも人口が増えているところです。
古くからの住民と新しく引っ越してきた新住民とが混在した街です。
日曜の朝から駅周辺はにぎやかな様子です。
TRANSITのデザインされた看板と
ひとまちの“のぼり”を見つけた学生さんたちは店内に入り、
肩を寄せ合って座ります。
少し緊張した様子の先生のお話が始まりました。
ここからの授業の内容は、授業レポートも併せてご覧ください★
「富雄愛を感じる自転車屋さん」
http://nhmu.jp/report/17400
大阪出身の先生が、学生時代をこの富雄で過ごしたという話。
学生時代は自転車部ではなく園芸部にいたという話。
人と人が近いこの街が好きになったという話。
飾らない言葉にこそ、リアルな思いがあります。
時計を気にしながら15分程度で概要を話しきった先生は、
もうほとんど話し切っちゃいました・・・と照れ笑い。
実直だが、親しみやすい性格の先生が話されるこれまでの話に
すっかり引き込まれていく学生さんたち。
それではいよいよスライドショーです。
まずは、このお店が元々自転車置き場だった時の写真。
続いて、リノベーションされていく様子が映し出されます。
お隣の美容室と同じ業者に担当してもらったという
店内のイメージは昭和です。昭和の雰囲気が好きだという向井さんは
できあがっていく様子に満足な様子です。
お店はオープンしてまだ3年ですが、着実にこの街で
つながりを強めているTRANSIT。
学生さんのなかには普段のお客さんもおられ、
いつもの自転車屋さんが奈良ひとまち大学の教室になるとの広報を見て、
嬉しくてすぐに申し込まれたとか。
大学を卒業されて、勤めた会社が大手の自転車屋さんだったとのこと、
近畿圏を転勤するなか、学生時代を過ごした奈良 富雄の街が忘れられず、
奈良の店舗への転勤願いをいつも出していたと言います。
富雄の魅力は人と人との距離感。いつも誰かが街を歩き、
人同士がどこかでつながっている街。
まずは住まいを富雄に移した先生は
街の声を聞き、「街の自転車屋さんが閉店して不便だ」という話から
この街で独立することを決めたそう。
人のつながりがひとつでも欠けていたら、
ここで話をしていることもなかったという、
本当に偶然がつながって今があることを実感します。
このブログを書いている私“よったか”も、実は富雄の住民です。
奈良といえば、観光地とベッドタウンの街。どちらかというと西部は
後者の傾向が強く、皆さんが地元に目を向けることが
普段あまりない傾向があったように思います。
でも、富雄は若い人が多い街。
最近は「トミオの日」や「トミオフェス」など、この富雄を盛り上げようと
する動きが活発になってきています。
行政がやる観光ではなく、自発的なこの動きに注目していきたいです。
今回の授業は、広報課にとっても特別なもの。
企画や交渉を広報課として初めて提案しました。
7月から温めること5ヶ月。無事成功できたことはなにより嬉しいことです。
先生への質問タイムでは、向井さんが企画している「おいしいポタリング」に
話題が集まります。
「ポタリング」とは行き先を決めずに散歩するように自転車に乗ること。
「おいしい」とは一緒に企画している仲間がカフェでおいしいランチを作って
待っているとのこと。
ビジネスだけでない人とのつながりをなにより大切にする向井さん。
近い将来、仲間がつながり合って、大きなうねりになる予感がしました。
奈良ひとまち大学で過去最西端で開催されたこの授業。
笑顔で帰って行く学生さんを見送り、来週実施される、おいしいポタリングに
参加する約束をして先生にお礼をする、“よったか”でした。
(よったか)