秋の西方院、静かな佇まい
2025.01.29 | 打合せ | by Staff
唐招提寺の南大門から西に向かって、途中で踏切を渡りしばらく歩くと、右手に山門が見えてきます。
<山門が見えてきました>
もとは唐招提寺の境内だったのが、昭和の初め、近鉄橿原線の開通によって分断され、別院のようになっている「唐招提寺塔頭 西方院」は、風情のある土塀(奈良塀)が印象的で、その静粛な佇まいに心が安らぎます。
<五輪塔>
11月某日、3月1日(土)の授業「唐招提寺奥の院を知っていますか ~唐招提寺『西方院』を訪問~」の打合せのために、西方院へ伺いました。
紅葉にはまだ早く、緑が多く残る境内を通って礼堂へ進むと、西方院副住職の石田太一さんが笑顔で迎えてくださいました。
石田さんがおしゃべり好きなことは知っているので、西方院の縁起のこと、ご本尊のこと、境内にある五輪塔のことなど、「今回の授業は盛りだくさんの内容になるな」と実感しながら、詳しくお話を伺いました。
ここで西方院について少し予習をしておきましょう!
西方院は、鎌倉時代、慈禅(じぜん)上人により創建されました。
「唐招提寺奥の院」とも言われ、唐招提寺歴代住職の墓所があり、特に境内の中心には高さ約2.5メートルの「五輪塔」があります。
<五輪塔>
実はこの五輪塔、鎌倉時代の作で、これまで中興覚盛上人の墓と思われていましたが、近年、解体修理が行われ、その地下から「證玄」の名を刻む銅製骨臓器が出土したことで、中興覚盛上人の弟子・證玄円律の墓であることが分かったのでした。
このお話も授業で詳しく伺えたらと思っています。
そして西方院のご本尊「阿弥陀如来立像」は、快慶の晩年期の作で、重要文化財に指定されています。
現在は本堂に安置されていますが、明治以降は時の政策や寺の荒廃などで西方院も無住の時期があり、盗難に遭ったりで、この地を遠く離れていたことがあり、「旅する阿弥陀如来さま」として語り継がれているとか。
このあたりの詳しいお話も石田さんに伺いたいところです。
本堂外観です。
こちらに阿弥陀如来さまがおられます。
私はこの時、阿弥陀如来さまにお会いすることができ、感動をいただきました。
みなさんは授業までのお楽しみ。
ぜひ、その美しいお姿を拝顔していただきたいと思います。
打合せの途中、石田さんの奥さまとも合流し・・・というのも、わたくし奥さまとは中学の同級生で、コロナ禍以降久しぶりに会ったので、近況報告合戦を盛り込みながら楽しい時間を過ごさせていただきました。
石田ご夫妻、どうもありがとうございました。
授業当日は、庫裏での授業の後、境内を散策しながらご本尊を拝顔、「五輪塔」「千体地蔵尊納骨塔」のお話なども伺いたいと思っています。
3月初め、まだまだ寒い時期ですので、暖かい服装でお越しください。
御朱印を希望される方は、受付の時に御朱印帳をお預かりしますので、お持ちくださいね。
※拝観料400円の他に400円をご用意ください。
後日、お天気の良い日に境内の紅葉を写真に収めさせてくださいとお願いしたところ、快くOKのお返事をいただきました。
その際に、一昨年、傷みが酷くなった土塀を修復するのにクラウドファンディングを行うなど、境内の大切な文化財を後世に守り受け継いでいくために苦心されているというお話を伺いました。
歴史あるものを受け継ぎ、後世に残していくことの難しさ。
大切に守っておられることに頭が下がります。
<土塀はそのまま、その上の瓦部分を修復されたとのこと>
<土塀の内側 杭で補強されています>
それでは秋の西方院の境内の趣きと紅葉をお楽しみください。
<山門を入ってすぐに庫裏があります。
授業はここでやりますよ!>
<庫裏から見た山門>
<礼堂横の紅葉の間に陽が射しました>
3月1日、みなさんお会いできるのを楽しみにしています。
お申込はコチラ↓
https://nhmu.jp/class/42158
(さとちん)