現代に蘇ったゲーム
2022.05.28 | 授業 | by Staff
今回の授業「古代のゲーム『かりうち』って? ~現代に蘇ったゲームで遊ぼう~」では、ボードゲーム「かりうち」について解説してもらいました。また、ゲームも楽しみました。
授業の様子は、「ひとまちレポート」をご覧ください♪
「古代のボードゲームで遊びませんか?」
http://nhmu.jp/report/37795
「かりうち」とは、奈良時代に役人の間で禁止になるほど熱中した双六のような遊びです。
2チームに分かれ、「かり」というサイコロ代わりの棒を4本振り、出た目に従いコマを進めます。
また、双六はコマが1つですが、かりうちは4個のコマを進め、4個すべてゴールしたほうが勝ち。
相手のコマと重なれば、重なったコマを振り出しに戻します。
最後まで勝敗がわからない頭脳ゲームで、気の抜けない駆け引きをします。
ちなみに、今回の授業の先生である奈良文化財研究所主任研究員の小田裕樹さんは、お箸がいつから使われだしたのかを研究しているそうです。
箸は木製のため経年劣化し、土に返ってしまいます。
そのため、直接出土するのは難しく、確証になりません。
そこで、土器についている箸で突いた痕跡を調べているそうです。
調べるうちに規則正しく並べられた人為的な痕跡に気づき、奈良だけではなく東北・九州でも同じ痕跡が見つかり、朝鮮半島には今も、かりうちに似た「ユンノリ」という遊びがあることにたどり着いたそうです。
そして、どうして朝鮮半島では未だに遊びとして存在しているのに、日本では廃(すた)れてしまったのかを調べています。
小田先生の今後の夢は、教育現場などでの普及をめざし、もっとこのゲームの人口を増やして、地方大会、最終的には平城宮跡で全国大会を開催すること。
目を輝かせて話していました。
学生のみなさんからは、次のような声をいただきました。
「凄くおもしろく、あっという間に時間が過ぎた。」
「複数のコマを重ねて動かすことができるが、敵がそこに重ねてくると一度に振り出しに戻ってしまい落ち込む。」
「かりが4本あり、その組み合わせでコマを進める数が決まる。4コマ・5コマ出るともう一度振れるのが楽しかった。」
「ぜひ地方大会が各地で開催され、全国大会を平城宮跡で開催してほしい。」
「ゲームセットをできるだけ安価で売るか、供与してほしい。」
「家族でやりたい。」
学生のみなさんは和気あいあいとゲームを楽しみ、「やった!」という声やため息が聞こえていました。
(谷)