奈良ひとまち大学

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ひとまちブログ

香りにひかれて

2018.01.27 | 授業 | by Staff

雪もちらほら舞う寒いなか、今回の授業「月ヶ瀬の未来を担う若き茶師 ~日本全国にお茶の魅力を発信!~」の教室としてお世話になるのは、南市町の町家貸スペースぼたん。

香りにひかれて_1

のぼり旗も突風で吹き飛ばされるなか、学生のみなさんは欠けず迷わず遅れず全員集合です。
でも、ここは町家。
隙間風がびゅーびゅー。
ぼたんのオーナーさんが、ご厚意でおひとりずつに携帯用カイロをご用意くださいました。
受付でお渡しすると、みなさんにっこりです。

香りにひかれて_2

毎日いただいているはずなのに、知っているようで意外と知らないお茶の世界。
お茶を入れてくださる先生の手元から湧き上がるお茶の香りを比べ、味わいを比べながら、質問も活発に出ていましたよ。
お腹も心もほっこりして、みなさん帰って行かれました。
1月27日ということもあって、若草山の山焼きに行かれた方もあったようでした。

香りにひかれて_3

(つしねこ)

THE 奈良晒

2018.01.26 | 授業info | by Staff

3月3日(土)の授業「手紡ぎ手織りの麻織物、奈良晒 ~古き良き手仕事の魅力を発信~」の教室、「麻布 おかい」。
その「麻布 おかい」の軒先に筆のようなものがぶら下がっているのを見たことがありますか?
見たことある!という方がたくさんいると思います。
あれ、なんだと思います?
(1)巨大な書道筆
(2)軒先に吊るす奈良の伝統的なお守り
(3)鈴の緒

THE 奈良晒_1

答えは、(3)鈴の緒(すずのお)です。
「鈴の緒」と聞いてもピンとこないかもしれません。
“かっぱ”も初めて見たときは何だこれ?って感じでしたから・・・。
神社やお寺にお参りした時、賽銭を入れて、そこに垂れ下がっている鈴のついた布綱を鳴らして、願い事が叶うように祈りますよね。
この鈴を鳴らす布綱のことを鈴の緒と言うんです。

そして、この白い茎は麻の茎なんです。

THE 奈良晒_2

この麻をお湯に浸けて周りにある皮(繊維の部分)を剥いたものが、奥にあるひも状のもの。

THE 奈良晒_3

ここからいくつもの過程を経て、手紡ぎの麻糸となり、織り機で織られ、ハンカチや鞄、ふきんや作務衣になっていくのです。
紐状態だと、ここからまさか鞄や作務衣になるなんて思いもできませんね。
麻がどのように製品になっていくのかは、授業で話を聞きましょう。

THE 奈良晒_4

さて、今回の授業の先生は、岡井麻布商店6代目の岡井大祐さん。
店長として大忙しの毎日ですが、どんなに忙しくても機を織ることを日課としているとか。
そんな岡井さんは、子どもの頃から麻に触れ、その頃から麻が生活の一部になっていたそうです。

THE 奈良晒_6

そして、家業を継ぎ、6代目として奮闘中。
苦労も楽しいことも多いはず。
授業では、そんなところも聞きながら、6代目が語る麻布の世界の魅力を感じたいと思います。

「麻布 おかい」から生み出される数々の麻製品の中でも、岡井さんのブランド「Mafu a Mano」は、伝統工芸でありながら、色やデザインなど新しいものを取り入れることで、日々進化しています。
また、作り手が思いを込め、手紡ぎの麻糸を手仕事で1本1本丁寧に織り、それが使い手に伝わり、使い込むにつれて愛着を感じられるようなモノになっています。

THE 奈良晒_5

ここで、特報!
コーヒー好きの岡井さんが、最近、麻からコーヒーフィルターを作りました。
麻のコーヒーフィルターだと、麻が雑味を吸収してくれるので、とてもまろやかな美味しいコーヒーになるんでって。
授業中、岡井さん自らコーヒーを入れて、みんなで楽しみましょうとのことです。
これは飲まずにいられない!

授業のお申込はコチラ↓
http://nhmu.jp/class/29521

(かっぱ)

「いっかんばり」と読みます

2018.01.25 | 打合せ | by Staff

2月24日(土)の授業「奈良の伝統工芸がモダンに蘇る ~300年以上続く『一閑張』ってなに?~」の打合せに、奈良市六条にある「奈良悠久の郷」へ行ってきました。
授業タイトルのとおり「一閑張ってなに~?」っていう声が聞こえてきそうですね。
「一閑張」は「いっかんばり」と読みます。
百聞は一見に如かず!
ご覧ください。
床の間にお洒落~に飾られているこの味のあるカゴ!
そう、これこそが「一閑張」なのです。

「いっかんばり」と読みます_1

「百聞」というほどはお伝えできませんが、一閑張について簡単に説明しましょう!

「いっかんばり」と読みます_6

近代以前までは、農具や日用品を補強するため、和紙に柿渋液を塗り重ねる「一閑張」という技法が、北海道や沖縄を除く全国で使われてきました。

「いっかんばり」と読みます_4

本革やデニムなどのように時間の経過とともに色が馴染んで柿渋液の風合いが出せるため、今ではファッションやインテリアにその技法が取り入れられるようになったそうです。

「いっかんばり」と読みます_2

今回の授業の先生は、奈良一閑張り作家の上田晃子さん。
上田さんが一閑張に出会ったのは、ご主人の実家の蔵から100年前に実際に使われていた一閑張の農具類が多数見つかったときだそうです。

「いっかんばり」と読みます_3

その時、壊れたモノは捨てずに修理してまた使うという昔からの庶民の知恵に、感銘を受けたそうです。
その後、一閑張の技法を独自で研究し、和テイストのおしゃれ雑貨「一閑張アート」を立ち上げ、さらにその後、柿渋・墨・筆・晒・竹かご・和紙などオール奈良の特産品とコラボしたブランド「奈良一閑張り」を立ち上げられました。

「いっかんばり」と読みます_7

上田さんが創り出す作品は、デザインだけでなく、とても丈夫で上質であることから、全国の百貨店のギャラリーに展示されたり、高級品として販売されたり。
上田さんはプロの工芸作家として活躍しているんですよ。
昔の農具をもとにおしゃれ雑貨を創っちゃうって、発想がホントにすごいですよね!
今回の授業では、上田先生から一閑張の歴史や奈良の伝統工芸の魅力についてのお話を伺う他、実際に奈良一閑張りを体験するために、この書類トレイを作ります。

「いっかんばり」と読みます_5

貴重な体験になること間違いなしです!!
ぜひ、お申し込みください。
お申込はコチラ↓
http://nhmu.jp/class/29513

(もじゅ)