ひとまち大ヘルプスタッフの、“よったか”です。
海龍王寺での今回の授業、「その昔、宗教は家庭の常備薬だった!?」が無事終了しました。
今日は、最高気温がなんと7℃。最低気温は・・・知りません。でも体感温度は氷点下です。
前日からクリスマス寒波がやってきた奈良は、時折雪がちらつく天気になりました。
スタッフ4人とご住職との打ち合わせ中には、パラパラと霰(あられ)が降ってきました。
フードをかぶって「こんな日になってしまって・・・」と申し訳なさそうに話すスタッフに、ご住職は「会津八一が詠んだ “しぐれのあめ いたくなふりそこんだうのはしらのまそほ かべにながれむ ”はこんな雨の中だったのかもしれませんよ。わざわざ雨の日を選んで、観光に来られる方もおられるようですよ」とニコッとされました。
ものの見方や感じ方なんていくらでも変えられるものだと、ちょっとお手伝いの依頼を受けたことを後悔しかけてた自分を戒めました。
さて、いよいよ受付開始です。
準備中から待っていた方もおられて、どんどんと学生たちが集まって来ます。
さすが抽選までする結果になった授業です。みなさんの期待の高さが伺えます。
しかし、寒い。受付の鉛筆をもつ手が震えます。
スタッフのほとんどが、寒さに強いアンダーウェアの上下を着ていたのですが、それでも寒い。
北海道の知り合いが昔、「奈良は札幌より寒い」と言った言葉を思い出していました。
今日、海龍王寺はお休みの日。
一般の参拝の方が門が開いているので来られることもあり、丁寧にお断りさせていただきました。
15時の開始時刻になったのですが、まだ来られていない方が…。
授業開始後も20分くらいお待ちしたのですが、数人の方が結局来られず。
当日、やむを得ず来られなくなったのは仕方ないのですが、できればその旨、ひとまち大事務局にご連絡くださいね。
何もかももったいないので・・・。
授業の様子は「ひとまちレポート」をご覧ください♪
「常備薬ゆえの葛藤? ~海龍王寺のイケ住より~」
http://nhmu.jp/report/3065
ご住職のお話が始まって、しばらくしたらみなさんが本堂から出てこられました。
お寺という場所に癒しや安らぎを求めて来る方が多い中、この海龍王寺のなかで、みなさん思い思いにそんな場所を探します。
スタッフの私はそんな場所を探すみなさんを見ていました。
雨のあがった少し足下の悪い中をゆっくりと歩き、表情はみなさんすごく落ち着いたものでした。
再び本堂に戻ったみなさんをご住職が温かいコーヒーでおもてなし。
気持ちも温まって、対話の時間が始まります。
ご住職の思い。
「かつて常備薬であったはずの宗教が、安定の基にあぐらをかいてしまって、宗教者としての信念が伝わらなくなってしまった。」
学生たちの思い。
「今の世の中は起承転結が起と結だけになってしまったのでは?」
「かつてのお寺と庶民との関わりは?」
「仏教の教えとはズバリ何ですか?」
鋭い質問に時間があっという間に流れていきました。
すっかり日が落ちて、暗くなった本堂。
ご住職の最後の「宗教者のメッセージをブログで発信します」との宣言に場もすっかり和み、後ろ髪を引かれる思いで、学生たちはその場を後にしました。
参道にはご住職のはからいで、燈花会風の灯籠が帰路を照らしていました。
本当に人を惹きつける魅力のある海龍王寺とご住職には、最後まで魅了されてしまいました。
奈良っていいなぁと改めて感じた年末の一日でした。
(よったか)