こたつで茶会!?
2018.02.17 | 授業info | by Staff
本日2月17日、暦の上では立春の末候、「魚上氷(うお こおりを のぼる)」の最中です。
今年はことのほか寒い日が続いており、春の兆しなんて・・・と思っておりましたが、今週に入ってちょっぴり寒さが緩みましたよね。
さすがは二十四節気、七十二候。
国立天文台で計算したデータに基づいているだけありますぞ!
とはいえ、大人になると(いや場合によっては子どもでも)、日々の慌ただしさに追われて、季節の移り変わりなんて、意識してアンテナを張ってないとキャッチできないような気がしています。
普段の生活、ふとした瞬間に自然の営みを感じられたら、ちょっと豊かな気持ちになれるのではないか、なんて思ったりもするのです。
3月25日(日)の授業、「庭づくりを職業にしたわけ~庭の仕事と茶の湯の愉しみについて~」では、庭師の土屋裕さんのお話を伺います。
土屋さんは、大学卒業後、製鉄会社に就職、30代で脱サラし、庭師修業のため奈良に移住、2008年に土屋作庭所を設立しました。
個人宅から、会社・ギャラリー・料亭など、それぞれに合わせた庭の手入れ及び作庭が評判となっています。
庭づくりを生業とする土屋さんにとって、季節を感じることは、職業柄とても重要・・・というか当たり前のこと。
依頼主の要望に応じた庭を作り整えていくことは、ある意味、人工的な自然を作り込む行為のようにも思えるのですが、風土・気候・地形、植栽の種類など、自然のことを熟知していなければできないこととも言えます。
日々、自然と向き合い、季節を感じながら仕事をする土屋さんが、もうひとつ大切にしていることがあります。
それは、「茶」。
社会人になって始めた茶道の世界に魅了され、仕事と茶道の両立を考え、茶に携わる職業として庭師を生業にする道を選んだそう。
そんな土屋さんが考える「茶の湯」は、いわゆる茶道のイメージとは一見異なっています。
1月の最終週に、高畑町の空櫁で行われた「こたつ茶会」にお邪魔してきました。
一般的な茶会といえば、改まった席で正座し、作法に則ってお茶をいただき、お道具を拝見し・・・といったいわゆる堅苦しいイメージが先に立って、茶道の嗜みがない人にとっては別世界、関心があっても気軽に参加できる感じじゃない・・・かと思います。
それが、冬の団らんの象徴ともいえるこたつで行われる茶会と聞いて、意外な取り合わせにびっくりしつつ、興味津々で会場へ。
6畳の和室にこたつが2つ、そして火鉢も2つ。
こたつに入って、お菓子と薄茶をいただきます。
しばらくすると、何やら白い包みが。
中からお餅が登場。
火鉢で焼きます。
お餅は土屋さんがお仲間と一緒に搗いたものだそう。
いい具合に焼き色がついた頃、香ばしい匂いでいっぱいに。
焼きたてのお餅は、土屋さんお手製のごまだれをつけていただきます。
薄茶を点てていただく間、お餅が焼けるのを待つ間、おしゃべりしながら過ごすのですが、窓越しに見える小雪ちらつく様を眺めながら、あったかいこたつを囲んで語らう姿に、なんて豊かな時間なんだろうと思いました。
伝統一辺倒ではない、茶の湯の心を大切にした今の時代に合った「茶」の楽しみ方のひとつですね。
本日はここまで。
次回のブログでは、庭にスポットを当てたいと思います。
「庭と茶のことだけ考えている」と語る土屋さんのお庭とお茶ってどんなものか、聞いてみたいと思いませんか?
授業では、映像を交えてお話しいただきます。
教室の「木屋 KIYA」の土屋さんが手掛けたお庭を眺めながら、薄茶もいただきますよ。
お申込、お待ちしています!!
申込はこちら→ http://nhmu.jp/class/29721
(なさ)