奈良ひとまち大学

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奈良の面白さ教える“大学”

2021.09.25 | その他 | by Staff

去る9月15日に、NHK奈良放送局の番組「ならナビ」の「ならコレ!」のコーナーで、奈良ひとまち大学の特集が放送されました。
Twitterでさらっと告知していたのですが、ご覧いただけましたか?

奈良の面白さ教える

リポーターの柴原優美香さんから連絡をいただき、7月25日の授業「平城宮跡で眠る6万羽のツバメのこと ~ツバメのねぐら入りを見に行こう~」ができるまでを取材することに決まったのが、4月下旬。
この授業の先生である奈良ツバメねぐら研究部のみなさんと5月末に現地で打合せした際に柴原さんも同行し、撮影兼取材をしてくださいました。
「自然にしてくださいね」「カメラ、気にしないで大丈夫ですよ」と言われつつ、初めてのことに動揺する心を隠しながら打合せ開始。
柴原さんは、こんな感じで撮影してくださっていました。

奈良の面白さ教える

先生方に双眼鏡を借りて、ツバメが飛ぶ姿を探したり、当日どんな感じで見えるかシミュレーションしたり。
残念ながら、その日はツバメがほとんど見られず、「授業、大丈夫かな・・・」という不安を抱えての撮影初日でした。
授業当日、ツバメのねぐら入りに4万羽が集まってくれたときの安心たるや・・・。

奈良の面白さ教える

日は過ぎて7月、「絵本とコーヒーのパビリオン」でも取材を受けました。
いろんなことをしゃべった気がしますが、それらがどんな風になるのか、ドキドキしながら放送当日を迎えました。

奈良の面白さ教える

すごくいい感じにまとめてくださり、「さすがプロの仕事は違うわ・・・」と思いました。
「奈良の面白さ教える“大学”」というフレーズも気に入ってます。
柴原さんをはじめ、撮影してくださったカメラマンさんや音声さんに感謝感謝です。

奈良の面白さ教える

公民館の利用者さんにも「どっかで見たことある人やと思っててん」とか、じっと顔を見られて「テレビ、出てはりましたよね」と言われたり、反響の大きさに驚いています。
ちなみに、絵本とコーヒーのパビリオンでも「テレビ見たよ」との声掛けが多数あったそうですよ。
今回の取材が、奈良ひとまち大学を知っていただくきっかけになれば嬉しいです。

「見逃した・・・!」というあなたにお知らせです。
NHK奈良放送局の「ならナビ」のホームページに、今だけ動画が掲載されているんです!
ぜひご覧くださいね。
(10月13日ぐらいまでかな?)
https://www.nhk.or.jp/nara/program/naracolle/log/log_index.html

(なさ)

奈良の伝統工芸に触れてみませんか!? ~奈良漆器編~

2021.09.03 | 授業info | by Staff

どうも、“どすこい”です。
みなさん、ご無沙汰しております。

今回は10月2日(土)の授業「奈良は日本の漆器発祥の地!? ~華麗なる奈良漆器の世界へようこそ~」のご案内です。

さて、奈良の伝統工芸と言えば・・・奈良筆・奈良墨・赤膚焼・奈良団扇・奈良晒・奈良漆器・一刀彫・古楽面、鹿の角細工などなど。
少し前にも一刀彫の授業「奈良一刀彫を未来へと継承する ~伝統工芸の担い手を育てる誠美堂~」を行いましたね!
で、今回は「奈良漆器」にスポットを当てた授業です!

奈良の伝統工芸に触れてみませんか

さて、「奈良漆器」と聞いてまず想像するのは、とっても繊細で華やかな螺鈿細工、そして正倉院宝物だと思います。
そして、とっても高価なもので、扱いにくい!って思いますよね!?
実際ワタクシも、そんなイメージから、なかなか手に取ることができませんでした・・・。
(だって正直、漆器のこと、あまりわからんかってもん。)

しかし、ひょんなことから奈良漆器について少し(ほんとチョッとね)興味が湧き、話を聞いてみたいな~と思って。
たぶん、みんなも聞いてみたい、知りたいと思ってるはず!
それなら、いっそ奈良ひとまち大学の授業にしちゃえ!と思って、今回の授業を企画してみました。

そして今回、こんな思い付きワガママなワタクシの企画のために奈良漆器についてお話をしてくださるのは、漆芸家の八尾さつき先生です。

奈良の伝統工芸に触れてみませんか

八尾先生は、京都造形芸術大学の芸術部を卒業後、石川県の輪島で漆芸を学んだ後、奈良市が主催する「奈良伝統工芸後継者育成研修」に参加し、螺鈿や蒔絵の技術や知識を学ばれました。
各地域それぞれに伝わる技術や特性を学んで幅広い表現力を身につけ、製作活動に励んでおられます。
そんな先生の作品が見たいという方は、先生のインスタグラムをご覧あれ!
https://instagram.com/satsukiyao?utm_medium=copy_link
まぁ、先生についてはワタクシが紹介するよりも実際に授業を受けて聞いていただければと思います・・・。

奈良の伝統工芸に触れてみませんか

授業では、奈良漆器の魅力や歴史、製作秘話などを伺うほか、先生が製作された作品の数々を紹介したり、漆器の取り扱いなどについてもお話しいただいたりします!

奈良の伝統工芸に触れてみませんか

そしてそして、なんと言っても、この授業では実際に漆を使って箸に絵付けする体験をしていただきます!
「漆ってかぶれるからちょっと・・・」って心配な方も、ご安心を!!!
授業では、かぶれにくい漆を使用します!
漆を使った自分だけのオリジナルのお箸を作ってみませんか!?

奈良の伝統工芸に触れてみませんか

奈良の伝統工芸「奈良漆器」に触れる授業。
お申込み、お待ちしております!

※作品を乾燥させるため、製作した箸は後日、西部公民館に取りに来ていただきます。
詳細は授業にてお話しします。
※箸を追加したい方は、実費(3,000円)で追加していただくことが可能です!

申込はコチラ↓
http://nhmu.jp/class/36273

(どすこい)

notos(南風)の挑戦

2021.08.29 | 授業 | by Staff

8月29日の授業「奈良の『古き良き』を引き継ぐ ~リフォームに思いをこめて~」に従事しました。
先生は、株式会社 notos creative home代表取締役の松谷さんです。

さてさて、今回の教室となる建築事務所に行ってみると、以前に勤務していた公民館への通勤道中、毎日乗っていたバスから見える場所にありました。
バス道から事務所に近づいて行くと、閑静な住宅街の中に、清潔感のあるモダンな建物が現れました。

notos(南風)の挑戦

さすが建築事務所。
決して過度ではないおしゃれさが好印象を抱かせます。
玄関から入ると、これまた今時な男性がお出迎え。
今回の授業の先生、松谷さんです。
建築事務所の1階の内装はとてもシンプルで、玄関の吹き抜けには大きなシーリングファンが回っており、とても心地よく、そして外の喧騒を忘れさせてくれます。

notos(南風)の挑戦

授業の様子は、「ひとまちレポート」をご覧ください♪
「社員ファーストな工務店」
http://nhmu.jp/report/36340

授業はまず、みなさんの自己紹介から始まりました。
DIYが好きな方やリフォームを考えている方、大工さんもいらっしゃいます。

notos(南風)の挑戦

自己紹介が一通り終わり、和んだところ松谷さんのお話。
冒頭、松谷さんは「時の今という貴重な時間に、こうして自分の話を聞きに来ていただき、本当にありがとうございます」とご挨拶されました。
こんな素敵な心の方にこそ家をお任せしたいなと思いながら、この後の話に期待が膨らみました。

松谷さんの会社は、まず依頼を受けると、プランや見積もりを出し、依頼主から返事が出ると工事を始めるのですが、あくまでも工事に直接携わるのは、協力業者や大工・職人さんだそうです。
依頼主と現場の方とのパイプ役となる訳ですね。
この元請というスタイルに創業時から拘っておられるとのことです。
ちなみに、プラン作成・見積もりは無料で、そこがとても大変だそうです。
時間・労力がかかりますもんね。

notos(南風)の挑戦

現在の会社は9年前に、社員2人とパート3人の6人からスタート。
昨年度の依頼件数67件のうち66件が紹介やリピートだったそうです。
特徴として、新築はしていません。
それは、世の中に空き家問題があり、空き家をなぜ活用しないのか納得できないからであり、中古市場を活性化していきたいとの思いから。

会社が大事にしているコンセプトは「温故知新」で、新しくバージョンアップして、いかに馴染むかを大事にし、古い物の歴史を隠したくないとのこと。
それらを通してお客さんに「毎日の何気ない笑顔」を届けられたらと思っているそうです。
それには「付加価値」が大事で、今後もブラッシュアップさせていきたいとのこと。

松谷さんの小さい頃の将来の夢は大工さんで、まずは大工見習いの道を探りました。
技を習得したかったので、そのためには奈良に留まることには拘らなかったそうで、最終的には姫路で弟子入り。
お昼ごはんはコロッケと卵焼きと白ご飯の日々で修業に励んだそうです。

3年もすると現場を独りで任せられるようになったのですが、その頃に違和感を覚え始めます。
それは何か・・・。
自分ではもっと木を使うことを想像していたが、現代は本物に模した材料が多く、それは工業製品であり壊れるものとして作られていて、将来において取り換えのサイクル・必要性を含ませた、リフォーム産業まで考慮されたもの。
もちろん否定はしないが、日本の家の平均寿命は26年であるが、外国には70~80年のものがある。
と、日本の家造りへの疑問を感じたそうです。
また、安い家が出てきて使い捨てのようになり、棟上げの当日に依頼主がいないなど、自分の家への興味の無さに非常にショックを受けて起業を考え、お客さんが家を大事にしてくれるような家造りをめざしました。

notos(南風)の挑戦

弟子入りを終え奈良へ帰って来ましたが、当然何も無い状態。
まずは下請けから始めました。
3年の準備期間を費やし、いろんなブレーンもできたのでこの会社を建てました。
「notos」とはギリシャ語で「南風」を指し、建築業界に新たな風を吹かすという意味で名付けたとのこと。
立上げに際して、「下請けしない」「安請けしない」「紹介リピート」「愛着を持ってもらえるモノ作り」の4つを決めたそうです。
イメージは、知る人ぞ知る、路地裏の名店。
そんな工務店にしようと思ったとのことです。
お客さんに、「あんたに頼むよ」「あなたのところに頼むわ」と言っていただけるようにならなければと思いました。
宣伝のため実家を改装し雑誌に載せるも、したいことよりもデザインや雰囲気、ウケを重視してしまい失敗。
その後に自宅を新築し、自分の世界観を表すことに成功。
それが作りたかった空間だったと気づき、産み出せたそうです。

会社として、地域と工務店の関わりについて、いくつか挙げられました。
奈良の業者・職人に仕事を依頼すること。
そのことで奈良の木を使うことにも少しは貢献する可能性が出てくること。
解体・廃材の木を再利用し、空き家を活用して稼げる空間へ変貌させること。
リフォームという仕事が、建物の延命、価値の向上へつながること。
それらにより、奈良のお客さんが奈良で依頼し、奈良でお金が循環することが重要だと。

最後に、9年間やってきて感じていることとして「身近なところから幸せに。縁ある人を幸せにする」が目標・目的とのことです。
奈良に拘る理由としては、明確な答えはないが、40年間に育ててもらった地域への感謝の気持ちで、与えてもらった恩を地域に返していきたい。
だからこそ地域活性化へ寄与していきたい。
それは次の世代へ続いていくものでもあるから。
仕事をしてきて、良いことを口で言うのはとても簡単で、いくらでも言える。
実行していくことがいかに難しいかがよく分かったとのことでした。

notos(南風)の挑戦

その後、作業場を見学し、本日の授業は終了となりました。
松谷さんは、こんなお話もされました。
「時間とは不思議なもので、貯めることもできないし、お金で買うこともできなければ、どれだけ自分に残っているかも分からない。
けれども皆に平等に与えられている、とても不思議なもの。
そして『今』というのは、言ってるしりから過去になる。
『今』というのは、そもそも何なのか」と。
私“つて”にも、きっと残された生かされる時間が決められていると思っていて、私欲にまみれた?夢を追うあまり「今」を簡単に過ごしてしまっていると思っています。
今をもっと大切に過ごそうと考えさせられると同時に、そうすれば私欲のひとつでも叶うのでは?と、これまた安易でやすっちぃ考えをしている自分に情けなく思う“つて”でありました。

(つて)