奈良ひとまち大学

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大和の朝は茶がゆで明ける

2019.12.18 | 授業info | by Staff

茶がゆ。

大和の朝は茶がゆで明ける_1

奈良を代表する郷土料理のひとつです。
江戸時代の農学者・大蔵永常(おおくらながつね)の著書『日用助食 竈の賑ひ(にちようじょしょく かまどのにぎわい)』にも、「大和國は農家にても、一日に四五度宛の茶粥を食する也・・・」と記されています。
今でこそ、お店やホテルの朝食などで提供される特別な料理になっていますが、「大和の朝は茶がゆで明ける」という言葉があるように、かつての奈良では朝食の定番だった家庭も多かったそう。
1月25日(土)の授業「『おかいさん』はソウルフード ~茶がゆのある食卓の風景~」では、大和の茶がゆ文化を伝える活動をしている飯田むつみさんにお話を伺います。

大和の朝は茶がゆで明ける_8

大和の茶がゆは粘り気がなく、さらっとしているのが特徴とのこと。
さて、どうやって作るのか?
「すごく手間暇かけて作るものなんだろうか??」と気になっていたところ、「どんな風に作るか、見てみますか?」と声をかけていただき、飯田さんのお宅にお邪魔してきました。

まずは洗ったお米をお鍋に入れ、水につけておきます。
そのときに、お茶っ葉を入れた袋=「茶袋(ちゃんぶくろ)を一緒に入れておきます。

大和の朝は茶がゆで明ける_2

4時間以上経ってから、その鍋を火にかけます。
沸騰してから10分程度炊いたら、できあがり。

大和の朝は茶がゆで明ける_3

あら、ちゃんと準備さえしておけば、普段の朝のルーティンに組み込めるぐらいの手軽さ。
びっくり!

大和の朝は茶がゆで明ける_4

実際に食べてみると・・・あっさりしていて美味しい!!
茶がゆはお茶で炊いている以外、調味料などは何も入れないので、味そのものは淡泊。
だから、おかずには、ちょっと塩気や甘味があるもの、お漬物とか小鉢で出てくるお惣菜などがぴったり。
食材は、できるだけ奈良県産のものや、自分が作ったものにこだわりたいという思いから、奈良県産のお米や大和茶、飯田さんお手製のぬか漬けや小鉢が並びます。
素材を活かした優しい味が、ほっこりと心に沁みわたります。

大和の朝は茶がゆで明ける_5

家庭の味として誕生した大和の茶がゆ文化を絶やしたくないという思いから、10数年前から活動を始めた飯田さん。
活動を始めて、あることに気づいたそう。
それは、茶がゆに欠かせない道具を取り巻く諸事情のこと。
例えば木杓子。

大和の朝は茶がゆで明ける_6

1本の木を削って作る、結構手間がかかるものなのですって。
かつて、奈良県南部では盛んに作られていましたが、茶がゆ文化が廃れるにつれ、作る人がいなくなったそう。
文化が途絶えると、それを支えるモノもなくなっていく。
そういったことも含めて、もっと伝えていかなければと今、感じているそうです。

茶袋は晒を使って作ります。
粉茶と呼ばれる細かく砕いたお茶を袋に入れて炊くのに使うのですが、使い込むごとに色が変化してくる様子、分かりますよね。

大和の朝は茶がゆで明ける_7

授業では、大和の茶がゆ文化や、飯田さんの幼い頃の食卓の想い出などを、茶がゆを目の前で作っていただきながら伺います。
ぜひお申込くださいね!

お申込はこちら↓↓
http://nhmu.jp/class/33333

(なさ)

これからもよろしく、です。

2019.12.10 | その他 | by Staff

どうも、“どすこい”です。
とってもHappyな喜ばしいニュースを目にしちゃいました。
これはみなさんにも報告せねばと思い、ひとまちブログを書き書き・・・。

なんと、奈良ひとまち大学で先生をしてくださった、妖怪書家の逢香さんと第24代ミス奈良の中島志佳さんが、奈良市観光大使に就任されました!!

https://www.facebook.com/388509267875285/videos/770454050093358/?__tn__=-R

パチパチパチ・・・(拍手)

逢香さんは、2016年1月の授業「妖怪書家が織りなす墨と筆の世界 ~奈良発祥、書道文化を再発見!~」で・・・

これからもよろしく、です。_1

中島志佳さんは2019年1月の授業「奈良時代と繋がる祭りを楽しむ ~奈良LOVERSとちとせ祝ぐ寿ぐまつり~」で・・・

これからもよろしく、です。_2

先生をしてくださいました。

どちらともとっても良い授業でしたよ~。
授業の様子はこちら↓
「妖怪書家とならまち」
http://nhmu.jp/report/25432
「奈良時代に思いを馳せて」
http://nhmu.jp/report/31571

逢香先生、中島先生、ご活躍を期待しております。
これからも奈良のPRを、おぉっと、奈良ひとまち大学のPRもよろしくね~~!(^^)!

(どすこい)

古代スイーツに誘われて

2019.12.07 | 授業info | by Staff

12月21日(土)の授業「甘葛煎(あまづらせん)って、どんな味? ~まぼろしの古代スイーツ、復活!~」の紹介ブログです。
前回のブログでは、甘葛煎に焦点を当てました。
※未読の方は、ひとまちブログ「削り氷にあまづら入れて・・・」をご覧ください。
https://nhmu.jp/blog/info/14485

今回は、授業の先生・前川佳代さんを紹介しますっ!
じゃ~ん、『奈良かき氷ガイド2019』。

古代スイーツに誘われて_1

このガイドに、「かき氷な奈良ビト」の一員として掲載されています。

古代スイーツに誘われて_2

前川さんの本職は歴史研究家。
源義経や平泉の都市についての研究をライフワークにされています。
2011年に奈良女子大学で初めて行われた甘葛煎の再現の実験に携わったことで、食文化についても本格的に研究するようになりました。
化学調味料がない時代の食を再現したら、素材を活かした味わいが、思いのほか美味しかったのだそう。
今も昔も変わりなく、人の身体は食べたものによって作られます。
歴史的に日本人が食べてきたものを見つけ出し、見直して、現代の食に取り入れることで、日本の食の伝統と文化を継承する試みとして、「歴史を食卓へ ~歴食のすすめ~」をテーマに、食を通して歴史を身近に感じてもらいたいと、さまざまな活動をしています。

そのひとつが、古代スイーツの復活。
古代の史料に記された植物や食品の記述を読み解いて復元したり、植物を用いたスイーツを考案したりしています。

さて、復元とはいえ、当時のレシピが残っているものばかりではありません。
レシピがはっきりしないものも、さまざまな文献や時代考証を行い、考察した上で復元しているそう。
この写真は、Eテレの「趣味どきっ!三都・門前ぐるめぐり」に出演されたときに使われた唐菓子です。

古代スイーツに誘われて_3

最近は・・・「むべ」。

古代スイーツに誘われて_4

「むべ」とは、不老長寿の霊果として天智天皇が食したといわれる果実。
天智天皇が一口食べて、「むべなるかな」と言われたことより、「むべ」と名付けられたと伝えられています。
現在、栽培農家は滋賀県近江八幡市に1軒あるのみ。
珍しい果物といってもいいんじゃないでしょうか。

古代スイーツに誘われて_5

その「むべ」を使ったスイーツを、「奈良の雑貨とカフェBAR ことのまあかり」にて、12月14日(土)・15日(日)・16日(月)の期間限定でいただけます(予定)。
「冬氷 むべなるかな氷」として提供されるそうですよ。
詳しくはコチラ→ http://kotonomaakari.furukoto.org/calendar.html

今回の授業のことをお話したら、特別に作ってくださいました!!

古代スイーツに誘われて_6

野性味も感じる甘さで、なんだか懐かしい味。
古代に思いを馳せながら、ぜひ食べに行ってみてはいかがでしょうか?
ちなみに「奈良の雑貨とカフェBAR ことのまあかり」は学生特典のお店ですぞ。
詳しくはコチラ→ http://nhmu.jp/special/29429

古代スイーツに誘われて_7

授業では、甘葛煎のことだけでなく、前川さんの古代スイーツへの思いもたっぷり伺います。
特製の古代スイーツもありますよ。
しかも2種。
うち、ひとつは粉熟(ふずく)。
この写真は南北朝期のレシピで作ったものです。

古代スイーツに誘われて_8

これまで粉熟は南北朝期のレシピで復元されてきたのだけど、古代の史料を読み解いたら違うものになりそう・・・らしいのです!
授業では、令和の新作として提供させていただきたいとのこと。
本邦初公開!!
ビジュアルからして異なりそうなので、とっても楽しみです♪

スイーツから古代を身近に感じることができるかもしれません。
みなさんのお申込、お待ちしています。
お申込はこちら↓↓
http://nhmu.jp/class/33167

(なさ)