公民館スタッフ12年目の“TH”です。
今回は、人気ナンバーワンを誇る授業「いざ潜入、西大寺検車区!その3 ~現代の禁足地!?車庫内部を見学~」に同行しました。
授業の様子は、「ひとまちレポート」もご覧ください♪
「大満喫!西大寺検車区!」
https://nhmu.jp/report/41837
授業のために近鉄の西大寺検車区に向かう職員も、やや緊張の面持ちです。
検車区内の車庫では、バラエティー豊かな電車群が業務運行のため絶えず出入りしています。
部外者立入厳禁の禁則地に、いよいよ「潜入」します。
高い倍率をくぐり抜け、晴れてこの授業を受けられる学生のみなさんも全員揃い、いざ車庫へ・・・と、その前に、この西大寺検車区の歴史と、職員のみなさんの仕事内容を教えていただきます。
教えてくださる先生は、西大寺検車区区長の今矢宜宏(いまやよしひろ)さん。
他にも助役さんや職員の方を含めて10人近いみなさんが私たち見学者のお世話をしてくださいました。

近鉄の総営業キロ数は501.1km、駅数は286駅と、私鉄では日本一の規模を誇ります。
西大寺検車区の歴史は古く、1920年にはその前身が設立され、近鉄創成期の車両管理と運用を支えてきました。
その後、近鉄の路線拡張と企業規模の拡大により、1964年5月、当初の場所より少し南東側に新たに竣工。
同じ年の9月に橿原線・尼ヶ辻駅等の移設を経て、ほぼ現在の形になったとのこと。
という訳で今年は、今の西大寺車庫が60周年の記念すべき年だそうです。
(特に記念行事は考えていないそうですが。)
また、西大寺検車区の管理下には、西大寺車庫の他に、新田辺車庫と宮津車庫があり、近鉄の検車区としては最大の600両もの電車を管理・運用しています(西大寺車庫の最大留置数は277両)。
この日も、それぞれの車両に決められた運用スケジュールに基づき、点検・清掃・入換編成などのため頻繁に稼動していました。
つい先日発生した大和西大寺駅構内での車両脱線事故の際には、今矢区長をはじめ検車区のみなさんが徹夜で作業に追われたとのこと。
日々電車が正確なダイヤで運行され、我々が当たり前のように利用できるのは、検車区のみなさんが縁の下で支えてくださっているお蔭と、感謝の念を新たにしたところです。
さて座学研修のあとは、お待ちかねの車庫見学と電車内からの洗車体験です。
学生のみなさんは全員ヘルメットを着用し、検車区職員の指示に従って車庫に足を踏み入れます!

先ずは普段は見ることができない、地面から見学する電車の床下機器と台車。
一両約40トンの重量を支える台車車輪の大きさと頑丈さ、そして整備時には肉眼では見えない小さなキズを見逃さないための専用器具の数々、職員の方々の「プロの眼力と熟練の技」に驚かされることばかりです。
ちょっと手を伸ばせば触れられる距離にある床下機器類も、部位によっては1500ボルトの高圧電流が走っており、学生のみなさんは緊張感を持って説明に聞き入ります。

今回の授業では、限られた場所を除き電車や車庫内の撮影を許可していただいたので、学生のみなさんはスマホやカメラ片手に、見学・質問・撮影と大忙しです。
いよいよ電車内に乗り込み、洗車体験に向かいます。
ご用意いただいた車両は、大阪万博エキスポ2025デザインが全面にラッピングされた、なんとも特別感満載の車両で、みんなテンション爆上がり!
乗車した車内でも、「車内アナウンス体験」「運転室見学体験」など、超特別なプログラムをご用意いただき、これまた一同大喜び!!

そして洗車工程。
運転席のある前面と背面は長いモップを使った人力作業ですが、左右の側面は線路上に固定設置された洗車機の間を、電車自体が水と洗剤のシャワーを浴びながらゆっくり通過します。
洗車機の方が動いてくれる自動車の洗車とは勝手が違います。
また自動車用の洗車機には乾燥機能もありますが、電車は洗うだけで車体を乾かす作業はありません。
電車の内側から洗車工程を眺められる経験は人生一度きり(多分!?)。
大いに満喫できました。

近鉄の車両運行計画は、編成毎に細かいスケジュールが組まれており、今回の授業での体験乗車も事前の運行計画に則って進められていたとのこと。
今矢区長と西大寺検車区のみなさんのご配慮に感謝しきりです。

最後に今矢区長から、「これからも駅でヘルメットと作業着を着用した検車区員を見かけたら、今日も電車とお客様の安全運行のため働いているので、どうぞ温かい目で見守ってください」とのご挨拶がありました。
多忙な日常業務のなか、検車区のみなさんによる最大限のおもてなしを賜り、重ねて感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
(TH)