奈良ひとまち大学

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ひとまちブログ

職人技をガン見できるなんて・・・!

2021.06.26 | 授業 | by Staff

今回の授業「奈良一刀彫を未来へと継承する ~伝統工芸の担い手を育てる誠美堂~」の教室である、奈良一刀彫のお店・株式会社誠美堂。

職人技をガン見できるなんて・・・

まずは誠美堂に行き、奈良ひとまち大学ののぼり旗を立て、「授業の参加者は『奈良悠久の郷』に集合してください」の貼紙をします。
え、教室はここじゃないの?
うん、ここじゃないけど、ここなんだよ。
なぜなら、今回は2つの教室を使っての開催だから!
誠美堂は、2つめの教室。
なので、1つめの教室の案内を貼っているのです。

職人技をガン見できるなんて・・・

1つめの教室がこちら、「奈良悠久の郷」。

職人技をガン見できるなんて・・・

2018年2月24日に行った授業「奈良の伝統工芸がモダンに蘇る ~300年以上続く『一閑張』ってなに?~」でお世話になりました。
その授業の先生である上田晃子さんにお出迎えいただきました。
今日もとってもパワフル。
梅雨のじめじめも吹き飛ばしてくださりそうな勢いです。

入り口に七夕の笹が飾ってありました。
短冊には、習字教室の生徒さんが書いたものでしょうか、「字がうまくなりますように」と、きれいな字で書いてありました。
これ以上の美文字をめざすのか・・・!と、向上心に衝撃を受ける私。

職人技をガン見できるなんて・・・

のぼり旗のポールを最大級まで伸ばし、「ここが教室だ!」アピールをします。
軒下で受付の準備をしていると、ツバメがびゅんびゅん飛んできます。
見上げると、ツバメの巣を3つ発見。
ツバメの集合住宅でした。
よく見ると、巣の中でツバメが震えているではないか・・・!

職人技をガン見できるなんて・・・

私が居るから怖くて巣に近づけないんやな!と気づき、受付を移動。
青空受付ならぬ曇天受付。
雨が降ってなくて本当に助かった。

学生のみなさんがお揃いになったので、授業開始。
授業の様子は、「ひとまちレポート」もご覧ください♪
「一刀彫の魅力を観た」
http://nhmu.jp/report/36265

はじめに、学生のみなさんの自己紹介。
五月人形を買いたいという方や、祖父母から一刀彫の人形をもらったという方、奈良の文化や物作りに興味がある方など、一刀彫に対して様々な関心を持っているみなさんがお越しだということが分かりました。

職人技をガン見できるなんて・・・

みなさんの発言の後、先生である株式会社誠美堂代表取締役の水川丈彦さんから、一刀彫の歴史や業界の現状、お店や水川さん自身のことなどを、詳しく聞くことができました。
「木は何を使っていますか」
「インターネットで受ける注文に対して、気を付けていることは」
「作品の大きさに決まりはありますか」など、質問も多く挙がりました。

お話の後、2つめの教室である誠美堂に徒歩で移動。
道幅が狭いながらもバス通りということで、交通量が結構多い。
雨が降ってなくて本当に助かった。

無事、誠美堂に到着!

職人技をガン見できるなんて・・・

全員一度に入れないため、二手に分かれて職人さんの作業場を見学することに。
前半に見学するみなさんとTwitter担当スタッフを作業場へ見送り、私は後半に見学するみなさんと、店舗に置かれている一刀彫の作品(商品)をじっくり見ました。

職人技をガン見できるなんて・・・

彩色鮮やかなものから、木のあたたかみと力強さが感じられるものまで、様々な作品があります。
作業場では写真撮影NGとのことだったので、店舗で写真を撮りまくる。
そうしてるうちに、ふと思いました。
前半の見学組が全然戻ってこない・・・。
きっと盛り上がってるんやろうな・・・。
邪魔したら悪いな・・・。
でも、そろそろ見に行きたい!
と、念を送っていたら、扉が開いたので、作業場へお邪魔しました。

数人の職人さんが作業中でした。
若手の職人さんたちが、色付けや彫りなどに取り組まれています。
※写真は後日、誠美堂から許可をいただき撮影しました。
職人技をガン見できるなんて・・・

作業中にもかかわらず、見学に来た私たちの質問に、とても気さくに丁寧に答えてくださいました。
写真を撮ることができないので、目に焼き付けるしかない!
色付けする前の丸みを帯びた人形がずらっと並ぶ様子や、染料の名前が和風でかわいいことなど、気になるものを見まくりました。

職人技をガン見できるなんて・・・

鼻息くらいの風でも金箔が飛んでしまうため、空調にも気をつける必要があるとのこと。
そんな職人の息づかいがマスク越しでも感じられる、貴重な見学の機会でした。

(もりぞー)

小さな文房具に大きな未来が込められている

2021.06.25 | 授業 | by Staff

6月25日の授業「かわいい奈良を文房具に ~coto mono流の奈良の魅力発信~」に従事してきました。
先生は、文房具と雑貨の人気店「coto mono」店長の東岡さん。

小さな文房具に大きな未来が込められている

子どもの頃から「書きごと」が苦手だった私は、文房具にこだわったり、興味が湧いたりすることはありませんでした。
でも、今の文房具ってとても機能的にしてあって、またそこにうまくデザインがなされていたりして、最近は見たり触ったりするのがとても好きになっています。
子どもの頃にこんなのがあれば、私も書きごとにもう少し親しみをもって生きてきたかも・・・。

さて授業です。
今回はお店ではなく、新しくできた「奈良蔦屋書店」にある天平サロンが教室となりました。
日頃は書店内の本を見ながら飲食ができるスペースとなっている、そのスペースを貸り切っての開催。
ガラス張りの窓際で、夕方ともなると天井の灯りも手伝って、何ともオシャレな空間となります。
これだけでもこの授業に従事できて良かったなと思いました。

小さな文房具に大きな未来が込められている

東岡さんのお話が始まり、授業が進んでいきます。
授業の様子は「ひとまちレポート」もご覧ください♪
「coto mono 東岡さんのお人柄が」
http://nhmu.jp/report/36114

就職したけど、デザイン系の業界は、若い新人の感性でのデザインとの対峙、昇進するに伴ってデザインよりも管理する仕事となることへのジレンマなど、組織のなかでの自分の生き方って、なかなか大変です。

意外だったのは、店を持つとき、初めは雑貨を考えていて、色々と足を運んでみたりした結果、やっぱり好きなものでないと選べないと分かり、文房具への想いを再確認して売るようになったということでした。
「楽しいコト、楽しいモノ、奈良から」が、お店のコンセプト。
そうです、ここからcoto monoなのです。

小さな文房具に大きな未来が込められている

文房具の良さは、安くて、自分の気持ちを動かしてくれること、またコミュニケーションツールにもなるところ。
実店舗で買う良さを大切にしていて、買うに至るまでの気持ちも大事にしているとのこと。
また、お店は自分の作品のショールームも兼ねていて、実際に見て手に取って商談となるようです。
なるほどね。

東岡さんのデザインは、「持っていると、思わずうふふと笑ってしまうような文房具」がテーマ。
大仏クリップは、印刷ができるクリップとの出会いから。
「形が何かに似てる・・・大仏っぽいなぁ」と思ってデザイン→採用となったそうです。
仏像に馴染みある台湾や香港の方などがよく買われるそうで、東岡さんの商品は海外にも置かれているそうです。

小さな文房具に大きな未来が込められている

ホテル日航奈良のロゴは、マスキングテープに使用したデザインを見て採用したいと言ってこられたものだそうです。
香港・ロンドン・パリでの展示会にも出展されました。

小さな文房具に大きな未来が込められている

そんななかで、出展されていたお店のクリエーターとの出会いから「小鹿企画」が生まれたとのこと。
「奈良発のかわいい・やさしい・楽しいものたちを届ける」。
なんと、5人メンバーのうち、奈良在住は東岡さんだけだそう。
奈良に住んでない方たちから奈良の良さを教えてもらうことが増え、自分のプラスになっているとのことです。

小さな文房具に大きな未来が込められている

今後については、店舗は増やしてもあと1店舗とし、ゆくゆくはメーカーになる野望があるとのこと。
メイドイン奈良を増やし、奈良で作る意味を持たせた商品を作りたいそうです。
「自分は接客が苦手。空気になって、雰囲気や商品でcoto monoを感じてもらいたい」とのことでした。
小鹿企画も、売るだけじゃなく企画力を出していき、チームでやる良さを出していきたいし、海外進出も考えたいとのこと。
ただし、しっかり足元を固めてから進めていきたいとのことです。

小さな文房具に大きな未来が込められている

私が東岡さんの言葉で一番心に残っている言葉は・・・
「あんまり好きじゃないことを、ものすごく頑張っていることに気付いた」ということ。
そう、私たちは日頃から、人間関係・仕事関係、いろんな「しがらみ」によって、やりたくないこと・言えないこと・やれないことのなかで生きているなと。
決してワガママを通すという意味ではなく、こんなしがらみから少しずつでも解放されるような自由な生き方を探していくのも大事なのでは?と考えました。
東岡さん、ありがとうございました。

(つて)

ビンにはこだわりが詰まっている

2021.04.25 | 授業 | by Staff

4月25日(日)の授業は「奈良の『おいしい!』を飴にする ~飴の専門店、ならBonbonって?~」でした。
コロナ禍で果たして開催できるのか・・・!?と心配していましたが、無事開催!
感染防止対策をしっかりして、美味しいこだわりの飴ちゃんの話を伺いました!

さて今回の授業の教室は「コムズギャレ」。
近鉄奈良駅から徒歩約10分、もちいどのセンター街にあります。

ビンにはこだわりが詰まっている

私は他の授業でコムズギャレに一度来たことがあるのですが、意外と知られていないようで、奈良ひとまち大学ののぼり旗を持って立っていると、ほとんどの参加者の方が「教室はどこですか?」と声をかけてくださいました。
たしかに商店街のなかに授業のできるような広いスペースがあるとは思わないですよね。
また使うかもしれませんので、よかったら覚えておいてくださいね!

授業の様子は、「ひとまちレポート」もご覧ください♪
「新たな奈良の魅力開発」
http://nhmu.jp/report/35866

授業は、お菓子研究家の神谷優希先生と奈良ひとまち大学スタッフ“よっしー”の対話形式で進行。
事前に入念な打合せをしていたそうですが、そのときにはなかった話が出てきたりして、「進行どうしよう・・・とすごく焦った」との“よっしー”談。
「みなさんに伝えたい」という熱い思いが、いっぱい出てきちゃったんですね!

ビンにはこだわりが詰まっている

神谷先生は、パン作りからお菓子作りの道へ入り、お菓子教室をしていたら奈良漬サブレの開発を・・・と、色々な経過を経て飴作りに至ったそうです。
奈良漬サブレは奈良女子大学とのコラボ商品で、東向商店街にある奈良漬の山崎屋で現在も販売中です。

奈良漬サブレの開発後、今度は大和野菜を使ったものを作ってほしいと依頼があり、色々考えたなかで素材の味がストレートに出る飴を選んだとのこと。
「野菜を使ったお菓子」と言われると、なかなか飴という発想は出てこないと思います。
お菓子のプロ、すごい。

ビンにはこだわりが詰まっている

「大和野菜」というと、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか?
正直、私は「大和まな」と「大和丸なす」くらいしか思いつかなかったんですが、調べてみると25品目が大和野菜として指定されているようです。
そのうちのひとつ「片平あかね」の色がとてもきれいだったから、先生は最初に飴の素材として選んだそう。
名前だけ聞いたら「人名??」と思いそうですが、片平あかねはカブの品種で、見た目は細く、大根のような味がするとか。
そして、山添村片平地区で育つと赤くなり、それ以外の所では白く育つそうです。
気候の関係等の理由があるそうですが、不思議な野菜ですね。

そして、片平あかねの種まきから収穫までを奈良女子大学の学生さんと経験し、栽培を成功させるのに3年。
その後は、飴に色を出す方法と味の問題で、とても苦労したそう。
今や大和野菜以外も含め20種類以上の飴を製作しているそうですが、この第1号である片平あかねは何度も試作や実験をして完成させたことから、とても思い入れの深い飴とのことです。

ビンにはこだわりが詰まっている

私もこの片平あかねの飴を食べてみました。
飴なので、もちろん甘さはありますが、しつこくないさらっとした甘さで、大根のようなカブのような野菜の風味を感じる初めて食べる味で、こんな飴もあるのかと驚きでした。

そうしてできあがった飴の話から、「ならBonbon」の話へ。
特におもしろかったのが、店名の由来。
ライターさん・イラストレーターさん・デザイナーさんにお願いをして進めたそうですが、最初は「奈良盆々」だったとか。
いかにも「奈良の盆地の・・・」というイメージだったのでしょうか。
パッケージも含めて古臭く感じたので、ポップなものにしてもらい、ならBonbonに。
「なら」は奈良県という意味ではなく、「日本(大和)のすべての始まりの地」という意味。
Bonbonは「ボンボン」と売れてほしいとの想いからだそうです。

ビンにはこだわりが詰まっている

ちなみに売れ行きランキングは、本葛バニラ・片平あかね・抹茶がベスト3。
先生のお気に入りは大和橘。
これまた作るのがとても大変みたいで、10㎏の大和橘から10ccしか果汁が取れず、熱する温度によって味が飛ぶんだとか・・・。

他にも、飴を入れる容器はプラスチックだと匂いが移るので密閉性の高いビンにしたりと、色々なこだわりが。
話のなかに出て来た「さりげなく本物がある」という先生の言葉に、この飴のすべてが詰まっているような気がしました。
ぜひみなさんもお店に足を運んでご賞味ください!

(2SIM)