奈良ひとまち大学

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ひとまちブログ

映えまくる秋の奈良

2021.11.14 | 授業 | by Staff

今日の授業「Nara観光コンシェルジュの奈良案内 ~とっておき『映え』スポット、教えます~」では、Nara観光コンシェルジュの松原純さんに、奈良の映えスポットを案内していただきます。
出発場所は、奈良の待ち合わせ場所の「テッパン」である「行基さんの噴水前」。
「じゃあ行基前で集合な!」は、奈良民の合言葉でございます。

映えまくる秋の奈良

そんな場所で受付の準備をします。
先生の松原さんが到着されました。
あら、軽装ですね・・・。
秋が深まり冷えを感じるなかでの外歩きだと覚悟していたため、奈良ひとまち大学と書かれた緑色のパーカーをしっかり着込んでいた私ともう1人のスタッフは、思わず顔を見合わせたのでした。

映えまくる秋の奈良

この日はきれいに晴れたので、歩いていると暑くなってきました。
さすがコンシェルジュ・・・。

さて、みなさんが揃ったので出発です。
授業の様子は「ひとまちレポート」もご覧ください♪
「奈良のまちの歴史と紅葉散策」
http://nhmu.jp/report/36879
「Nara観光コンシェルジュの奈良案内に参加しました」
http://nhmu.jp/report/36919

行基さんの噴水前から、ひがしむき商店街に入り、興福寺へ向かう坂道を登ります。
五重塔が見える辺りで、青空講義スタート。

映えまくる秋の奈良

奈良を中心とした日本史の振り返り。
今日のために特製資料を用意いただきました。
「奈良ってほんっっとに、すごいところなんですよ!」との松原さんの熱弁に、道行く人も「なになに?」と、思わず引き込まれそうになっていました。

興福寺の南大門跡へ移動。
五重塔は来春から120年ぶりの大規模工事に入るため、見逃すとあと10年間は姿が拝めなくなります。
3月頃に桜とともに撮れるかどうか・・・!
学生のみなさんは熱心にカメラやスマホを向けていました。
三条通を渡り、どこかの門を我が家のように開けて入っていく松原さん。
「え、どこ行くんですか?」と追っていくと、「こちらも興福寺なんです!」とのこと。
どういうこと??
こちらは、菩提院。
興福寺の子院にあたります。
銀杏の黄色が美しい!
木の下にお地蔵様が並んでいて、とっても絵になる~~!!
ここで、御堂と銀杏の木を例に、映える撮り方ポイントを解説いただきました。
重要なのは、光と見方。

映えまくる秋の奈良

見せたいものに対して光がどこから当たっているか、下から見るなど普通に見ないところを撮ることなどがポイントだそうです。
Twitter担当のスタッフは、その教えを聞いて早速実践。
「あれ、どこ行った?」と思ったら、離れたところからめちゃくちゃかがんで連写していました。
負けちゃおれんと私もデジカメでいろいろ撮りましたが・・・映える写真になっているでしょうか?

その後、菊水楼の前へ。
こちらでも解説。
楠木正成と関係があるなんて知らなかった~。

映えまくる秋の奈良

さらにまっすぐ進んで、春日大社の一の鳥居を抜け、どんどん進ま・・・ず!
「右手をご覧ください!この切り株!」
景色に溶け込んでいて分からなかったのですが、説明してもらって気づきました。

映えまくる秋の奈良

ご神木の松の切り株とのことです。
見逃しがちなスポットのようで、学生のみなさんからも「何回も通っているのに気づかなかった!」との声がちらほら。

他にも・・・
おんまつりで神に舞を奉納する「芝居」の語源が感じられる場所
奈良国立博物館の建物から分かる歴史
東大寺南大門の天井の高さと仁王像の横にいる日本最古の狛犬
東大寺七重塔跡近くの桜スポット
吉城川沿いの紅葉ポイント
鹿を撮るならこの季節がベスト
・・・などなど、1つに対して1つの講座ができるくらいの濃い内容を、ギュッと凝縮して案内いただきました。
「本当はいくらでもお話ししたいですけど、そうなると1ヶ所で2時間以上は要るので・・・」だそうです。

映えまくる秋の奈良

さすがコンシェルジュ!
奈良のことを語り出すと、話題の豊富さが底無しです。

そして最終目的地である吉城園に到着。
園内は、前日に少し雨が降って湿気を含んだ苔と、落葉した紅葉が一面に広がっていて大変美しいです!

映えまくる秋の奈良

松原さん曰く、「奈良のいいところは、伝統と自然が絡んでいるところ」。
美しい自然と歴史を感じる建造物が一緒に撮れるスポットがたくさんあるのは、奈良ならでは。
観光コンシェルジュの親しみやすく分かりやすいお話で、秋の奈良を満喫することができました。

(もりぞー)

まだ間に合う!興福寺五重塔特別公開

2021.10.31 | 授業 | by Staff

2021年10月30日の授業「入ってみよう、興福寺五重塔! ~ニッポンの至宝、内部特別公開~」には、奈良ひとまち大学の通常授業では考えられない数の申込があり、倍率も史上最高となりました。

授業の様子は「ひとまちレポート」をご覧ください。
「今を生きる五重塔」
http://nhmu.jp/report/36821
「私の知らない興福寺」
http://nhmu.jp/report/36698

授業当日は正倉院展も開催中の、奈良の秋の観光シーズン真っ只中。
興福寺の境内は人でいっぱいです。
私の役割は、受付と写真撮影、そして机を片付けること!?

まだ間に合う!興福寺五重塔特別公開

集合は、三重塔の前。
そこから移動しながら五重塔へ進むコース。
受付で机が要るけど、机を放置するわけにもいかず、持ち歩くにはちと重い・・・。
ということで、授業開始後、机を片付けに車までGo!
学生さんが1人遅れて来るとの連絡を受け、移動するまでに来られなかったらどうやって探そうかと気になりつつ、人の波をかき分けて、足早に机を運び、寺務所前の駐車場までたどり着いた瞬間、汗がどっと出てきました。

まだ間に合う!興福寺五重塔特別公開

疲れ気味に歩く私に「すみません、ひとまち大学の方ですか」との声が。
遅れて来られた学生さんと遭遇し、一安心です。

全員合流し、先生の辻明俊さんのお話を聞きながら、延命地蔵尊・南円堂へと移動。
ついに五重塔の前へ。

まだ間に合う!興福寺五重塔特別公開

実は授業時間中に五重塔へ入れるかどうか、その時までわからなかったんです。
一般の拝観者の方の列が長いようなら、後日、個々で入ってもらうという選択肢もあったのです。
幸いなことに、そこまでの列になっていないタイミングで拝観することができました。

まだ間に合う!興福寺五重塔特別公開

さて、国宝の五重塔は、2022年3月に特別公開をした後、工事に入る予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い延期となり、2022年9月17日から特別公開されています(2022年10月16日まで)。
公開終了後は、1900年(明治33年)以来、約120年ぶりの大規模修理に入り、工事中は塔が素屋根で覆われます。
修理期間は2030年3月までの予定で、五重塔の前で記念撮影をする光景も、しばらくはお預けになります。
まだ行けてない方はぜひ、足を運んでみてはいかがでしょう。
まだ間に合いますよ!

まだ間に合う!興福寺五重塔特別公開

詳しくはコチラ↓
興福寺国宝特別公開「五重塔」
https://www.kohfukuji.com/news/1835/

(なさ)

美しい奈良墨の生まれるところ

2021.10.23 | 授業 | by Staff

10月23日、授業「『奈良墨』の新しい取り組み ~松壽堂が提案する楽しみかた~」を開催しました。
松壽堂があるのは、ならまちのなか。
新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いたことで、ならまちには多くの観光客が訪れていました。
奈良で働いて20年になる私ですが、ならまちに来ると、実はいまだに観光客気分です。

美しい奈良墨の生まれるところ

観光客気分なもので少し浮足立っているのですが、なんとかのぼり旗と受付をセットし、学生のみなさんをお迎えする準備は万端。
道行く人たちが興味深げな視線を投げかけ、通り過ぎていきます。

美しい奈良墨の生まれるところ

授業の様子は「ひとまちレポート」もご覧ください♪
「歴史とこだわりの詰まった墨」
http://nhmu.jp/report/36614

それにしても、本当に素敵な町屋です。
入口の格子戸。
天井の梁。
箱階段。
レトロなガラス扉。
そしてなんといっても、墨の香り。
すべての調和がとれていて、とっても落ち着きます。
掛け時計のボーンボーンという音まで聞こえてきて・・・全てが調いすぎています!!
昔は、町屋の上に丁稚さん、奥には職人さんが寝泊まりされていたそうです。
当時の様子がそのまま目に浮かぶような、なんだか懐かしくなる、素敵なお宅です。

美しい奈良墨の生まれるところ

さて、本日の授業の先生は松壽堂当主の森克容(かつよし)さん。
立ち居振る舞いやお話ぶりも本当に柔らかく、まさにご当主という雰囲気の方です。

美しい奈良墨の生まれるところ

森さんは学生時代に墨の仕事を教わっていた際、「墨屋の主人は『墨屋の主人』をするもので、職人の仕事をするものではない」と言われたことがあるそうです。
それでも、墨屋の主人は墨の仕事を知っていることが大事だと考え、墨の職人さんから技を学ばれたとのこと。
当時、当たり前と思われていたことを打ち破って進んだことは、とても勇気のいることだったのではないでしょうか。
その決断があったから、今もこうして奈良墨が歴史とともに残っているのだろうなと感じました。
そして、そのおかげで今、私たちがお話を聞かせてもらっているわけです。
ありがとうございます、森さん・・・。

美しい奈良墨の生まれるところ

森さんのお話の後は、工房を見学させてもらいました。
私が今回一番心を惹かれたのは、使い込まれた道具たちの何もかもが真っ黒なこと。
電気のスイッチ、扇風機、作業場の座布団・・・。
森さんは朗らかに軽やかに墨のお仕事についてお話しくださいましたが、そんな軽いものではなく、大変なお仕事なのでしょう。
私は工房を拝見して、何かとても神聖なものを感じました。
完成した奈良墨の美しさは、ここから生まれています。
そのことに、とても納得しました。

美しい奈良墨の生まれるところ

墨をすって筆で書くという体験もさせていただき、学生のみなさんたちにとっても穏やかで満たされた時間になったようです。
森さん、本当にありがとうございました!

(matsuo)