奈良ひとまち大学

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ひとまちブログ

だから奈良っていいんだよね

2018.07.12 | 授業 | by Staff

6月24日の授業「仏像講座のあるお宿 ~宿泊と喫茶で奈良の魅力を伝える~」に、スタッフとして従事してきた“せとやん”です。
教室になった「古白」には個人的に何度かお伺いすることもあったのですが、じっくりとお話を聞くのは今回が初めて。

当日の様子は「ひとまちレポート」もご覧ください。
「ブラコハク」
http://nhmu.jp/report/30429

だから奈良っていいんだよね

担当スタッフの“なさ”の打合せにも同行させてもらっていたので、スタッフでありながら当日を迎えるのをとても楽しみにしていました。
当日はサポーターさんが設営・受付をお手伝いしてくださいましたので、とても心強かったです。
ありがとうございました。

だから奈良っていいんだよね_2

奈良ひとまち大学ののぼり旗を設置し、青空+古白+のぼり旗というセットをサポーターさんと一緒に眺め、「いいですねえ」「素晴らしいですねえ」と褒めあっていると受付の時間になりました。

古白がある鳴川町は、ならまちの坂の下。
立ち止まってこの景色を見ることなんて今までなかったので、とても新鮮でした。
私、奈良に居るんだな・・・としみじみ。
(数年前から居ます。)

だから奈良っていいんだよね_3

授業が始まる前に、古白の喫茶ではおなじみ、アイスコーヒーとパンナコッタを出していただきました。

だから奈良っていいんだよね_4

受付が始まる前から丁寧にハンドドリップして準備してくださっていたんですよ!
美味しかったですねえ。

授業が始まり、学生さんの自己紹介です。
みなさん、「仏像に興味があって」「奈良が好きで」など、今回この授業に申込した動機をお話しくださいました。
そして「奈良県の出身者ではないけれど、今は奈良に住んでいる」という方がほぼ半数!
すごいです。
実はそんな私も県外出身者なのです。
みなさんの緊張もほどよく解かれたところで授業がスタートしました。

だから奈良っていいんだよね_5

4月に名前が「ゲストハウス琥珀」から「古白」へと変わり、その名前への想いやめざすもの、境さんが修業していた天川村の旅館のお話、古白がある「鳴川」という地名についてなど、たくさんの写真とともに楽しくお話ししてくださり、参加された学生さんのなかには熱心にメモをとって聞いている方も。
境さんも質問を投げかけたりして、和やかに授業が進んでいきました。

とても充実した内容の授業でしたが、印象に残っているのがやはり人から人へ伝わり続けて守られているもの・「伝世古」のこと。
奈良に暮らすようになって、地域のおっちゃんが「天皇さんが」とか「万葉集の・・・」と会話しているのを聞き、すごいとこだなと驚愕したことがあるのですが、現代に生きる奈良の人々の生活のなかに古くからの歴史や文化が根付いていることが、奈良ならではの伝世古なんですね。
なかなかないですよ、古代史の話が普通にできる地域なんて。
日々の中に根付く歴史や文化を特別視することなく引き継いでいて誇りを持っている奈良の人たちのことを、羨ましいと思っていた数年前の自分を思い出しました。

だから奈良っていいんだよね_6

授業の終盤、古白周辺を散策しました。
すぐ隣の小塔院を抜け、元興寺塔跡まで歩いて本当にすぐです。
緑が濃くていい空気でした。
所々で境さんの解説を聞きながら歩いていると、普段通り過ぎるだけだった町の景色がちょっと違って見えます。

「奈良って『なんか』いいんだよね」と奈良好きの県外出身者はよく言うんですが(言わない方がいたらスミマセン)、今回の境さんの授業に従事して「『だから』奈良っていいんだよね」と言えるようになった気がします。
授業に参加してくださったみなさん、境さん、ありがとうございました!

(せとやん)

篤く三宝を敬い、和を以て貴しとなす

2018.06.23 | 授業 | by Staff

6月23日の授業「世界遺産、元興寺のエトセトラ ~お坊さんは元銀行員!~」に従事しました。

今にも泣き出しそうな梅雨時の空模様のなか、拝観受付の東門付近に並ぶ世界文化遺産記念碑や旧肘塚不動堂石造物、飛鳥小学校発祥地の碑を見ながら待機していたところ、迎えに来てくださった元興寺執事の辻村泰道さんと共に極楽堂(本堂)へ。

篤く三宝を敬い、和を以て貴しとなす_1

授業の様子は、ひとまちレポートもご覧ください♪
「夢いっぱいの元興寺」
http://nhmu.jp/report/30664

まずは、創建1300年、世界遺産登録20年の元興寺の歴史について、日本初の本格寺院法興寺として飛鳥の地で始まったとの説明がありました。
法興寺・飛鳥寺、そして元興寺という複数の名前を持つお寺としての背景から、歴史の重みを感じます。
本尊が仏像ではなく、智光曼荼羅であるのも他のお寺との大きな違いです。

篤く三宝を敬い、和を以て貴しとなす_2

そして、なんといっても元興寺と言えば、創建当時の飛鳥時代の屋根瓦や木材が現存していることが知られています。
奈良時代・室町時代・鎌倉時代と複数の時代の瓦が組み合わさって屋根瓦を構成している様子を拝見しました。
各時代での改造や修理を重ねて現存している姿からは、大規模な修繕時のみならず、日々の管理の積み重ねがあるのだろうなと感じました。

篤く三宝を敬い、和を以て貴しとなす_3

多種多様な石塔がずらりと並ぶ浮図田(ふとでん)の光景は圧巻!
石塔は、なんと1,500余り。
こうした石造供養塔は、極楽への道しるべだそう。

篤く三宝を敬い、和を以て貴しとなす_4

個人的には、総合収蔵庫にあった聖徳太子立像(太子2歳の時の姿)と聖徳太子16歳孝養像が印象的でした。
古代寺院の伝統を持つ元興寺は、聖徳太子の言葉として知られる「篤く三宝を敬い、和を以て貴しとなす」の精神に基づいているそうです。
三宝とは、「歴史的・奇跡的な仏さまの存在(佛)」「仏さまが解き明かされた真理(法)」「佛法を学び伝える集団(僧)」のことで、この三宝が備わっていないと寺院にはならず、仏教とは言えないそうです。

有名な屋根瓦や曼荼羅のみならず、幼き太子の姿に仏教と南都(奈良)のいにしえの姿を垣間見てはいかがでしょう?

(ミーシャ)

にぎにぎしてきました

2018.06.23 | 授業 | by Staff

6月23日、授業「伝統工芸『奈良墨』を学ぶ、触れる ~にぎにぎしてオリジナルを作ろう~」にスタッフとして参加しました。
お手伝いの声が掛かった際、内容までは詳しく把握せず「その日大丈夫です~」でOKしたのですが、よくよく確認すると、にぎり墨の体験。

今回の教室となった「錦光園」とは別の墨屋さんなのですが、実は秋に小学生たちとにぎり墨体験の予定があり、まさか年に2回もにぎり墨に関わることになろうとは・・・。
なかなかない経験をすることになり、不思議なものだなと思うとともに、少し笑ってしまいました。

にぎにぎしてきました_2

さて当日、いざ教室へ向かおうとすると、外は結構な雨!
午前中の授業はなんとかお天気が持ったような感じだったのに・・・。
向かう道中は、雨男雨女は誰だという会話が繰り広げられていました。
雨のためか、早めに到着される学生さんの姿もあり。
足元の悪いなかお越しくださったみなさん、本当にありがとうございます。

にぎにぎしてきました_1

墨というと書道の道具ですが、今回参加されたほとんどの方が、「学生の頃以来していない」と、書道からは遠ざかっているご様子。
ですが、墨に興味があって申込みをしたと言うだけあって、合間合間に質問が飛び交い、熱心にメモを取られる方も多く、にぎり墨体験に入る頃には時間が足りなくなるほどでした。
かくいう私も、高校以来使っていない墨のお話、興味津々で聞き入ってしまいました。

にぎにぎしてきました_7

学生のみなさんが帰られたあと、スタッフもにぎり墨体験をさせていただきました。
温かく柔らかい生墨の感触、なんだかおもしろくて、すごく楽しかったです!
でも丸い玉にする作業は、なぜかだんだん平べったくなり・・・
先生からは「今日一番出来が(悪い)」という一言が飛び出るくらいの仕上がり・・・
うーん、思わぬところで不器用さを自覚することになった!?
先生の職人技で綺麗な丸い玉→棒状になり、手の上にのせてもらって

にぎにぎしてきました_4

ギュッとして
にぎにぎしてきました_5

完成!!
にぎにぎしてきました_6

世界で1つしかない自分の手の形の墨と思うと、特別大事にしたくなりますね~。
桐箱に入れ、乾燥完了は3ヶ月後。
どんな風に変わっていくのかを見たい気持ちもありますが、箱を開けちゃうとひび割れるそうなので、じっとがまんして待ちたいと思います。
ちなみにこのにぎり墨、もったいなくて使えないので、飾って墨の香りを楽しむという使い方をするという方がほとんどだそうです。
にぎり墨体験は1人からでもできるとのことなので、ぜひ一度いかがでしょうか。

学校では今は墨汁を使っていて、墨を磨らないというお話がありましたが、伝統のものが受け継がれ、次世代へ伝わっていくためには、職人さんがいるというだけでなく、我々一般の人たちが買う・使うということも大事なことだなと思いました。

にぎにぎしてきました_3

そして授業の中で長野先生はこんなことも仰いました。
「墨屋さんだから、字がうまい、綺麗と思われるけど、そんなことはないです。」
長らくやっていない書道。
綺麗に書けなくても、久しぶりにやってみようかなという気持ちが沸いてきました。

(2SIM)