心にしみる~軽快なお坊さんトーク
2017.04.23 | 授業 | by Staff
うららかな春の昼下がり。
日曜日の三条通とやすらぎの道の交差点は、観光の方でいっぱいです。
桜は終わりましたが、新緑のさわやかな頃もいいものです。
みなさん、ようこそ奈良へ。
さて本日の授業「奈良好きイラストレーターが僧侶にきく ~田中ひろみ×奈良のお坊さんトーク」は、中部公民館の5階ホールが教室です。
当初、100人の定員で募集をしたところ、嬉しいほど多くのお申込があり、急遽200人に増やして受講いただくことになりました。
大きな教室に驚かれた学生のみなさんもいらしたかもしれません。
午前中はスタッフ総出で会場準備です。
ホールの緞帳をおろしてスポットライトを当てると、なんだかいつもと違う雰囲気です。
奈良ひとまち大学のバックボードも2つ並べて、舞台がいい感じに準備できました。
受付では、初めて受講する方が100人を超えて(半分以上!)、学生証がずらっと並びました。
会場の一角には、本日の授業のきっかけである田中ひろみさんの本『お坊さんに聞く108の智慧』のコーナーが設けられました。
授業を聴くと、どんな本だか読みたくなりますよね。
定刻になり、授業は海龍王寺の石川住職の進行で始まりました。
4人のお坊さんと並ぶ、田中ひろみさんの天平衣装が華やかです。
なんと田中さんご本人が縫ったものだそうです。
お坊さんの言葉って、素直に心に入ってきます。
そう思うのは私だけではないと思うのですが、いかがでしょうか。
本日の先生の4人のお坊さんは特に、わかりやすい言葉で語りかけてくれるメンバーです。
だからこそ、田中ひろみさんの声かけで、この本が誕生したのだということですね。
なるほど。
学生のみなさんの様子はというと、講師の方をまっすぐ見つめて、話に聞き入っている人が多いようです。
心に悩みや憂さを抱えて、何かヒントを得たいとご参加いただいた方もいらっしゃるでしょう。
授業を聴いて、この本との出会いが心にひとすじの光が差すきっかけになれば、何よりです。
詳しくは、「ひとまちレポート」をご覧ください。
「『お坊さん』たちがとっても身近な存在に」
http://nhmu.jp/report/28129
この授業のなかでは、「あきらめる」という言葉がキーワードになりました。
「自分のありのままをしっかりと見る」「明らかになる」「けじめをつける」など、お坊さんそれぞれの「あきらめる」を聴いて、苦しみを乗り越え、次へ進むために大切な「あきらめる」を感じた方、多かったのではないでしょうか。
休憩時間になると、本のコーナーに人だかりができました。
手に入れることができた方々が、大事そうに本を胸に抱いている姿が印象的でした。
あっという間に完売したようです。
ご興味のある方は、書店ではあまり置いてないそうで、お取り寄せまたはネット通販でどうぞ。
第2部は、お坊さんから見た奈良の魅力・良さ、情報発信の仕方について。
このなかで、これまで日本に来たことのない人がたくさん来るようになっていること、日本各地の寺社に油がかけられたことについての話が出ました。
その人にとってはこういう作法なのかもしれないが、日本には日本の作法がある。
書道や茶道にもあるように、参拝の仕方にも作法がある。
その国にのっとって行うことが礼儀である。
これは日本に来る外国人だけの問題ではなく、外国を訪れる我々日本人にとっても大切なこと。
「作法、常のごとし」
だから正しいことを伝えるということが情報発信に求められていると思う。というお話でした。
お坊さんならではの視点ですよね。深く感心しました。
このニュースをテレビなどで見て、こんなふうに感じてはいませんでした。
終了の時間が近づき、「最後にひと言ずつ」となったとき、伝えたいことがまだまだいっぱいある様子のお坊さん4人でした。
授業終了後、会場の一角で本を購入した方にサイン会が行われ、長蛇の列となりました。
1冊の本に、海龍王寺・興福寺・薬師寺・聖林寺のお坊さんと田中ひろみさんのサインをもらえるなんて、またとない機会。
学生のみなさんにとって、お坊さんや仏教が身近に感じられたひとときになったのではないでしょうか。
ご参加ありがとうございました。
(和の美)