奈良ひとまち大学

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ひとまちブログ

田原がまるまる博物館

2017.08.19 | 授業 | by Staff

ここは夏の田原。標高400m。
標高が100m上がると気温が1℃下がると言いますが、市街地より3℃程度涼しいはずの田原でもジリジリと照りつける太陽には勝てません。
暑い1日の始まりです。

田原がまるまる博物館_1

8月19日(土)の授業「やま里がまるごと博物館! ~田原地区の魅力、お届けします~」のスタッフは、甘えん坊で恥ずかしがり屋の“どすこい”を筆頭に、歴女でエヴァとゴジラを愛する“せとやん”、田原勤め4年目でミョウガと細い道が大好きな“よったか”の3人です。

髪型を夏仕様にカットした“どすこい”は、大の写真嫌い。
「僕は写真には写りませんから」とか恐いことを口走る彼を盗撮するように受付風景を記録します。

田原がまるまる博物館_2

天気は前日朝の豪雨が嘘のように快晴そのもの。
今回の授業は、田原やま里博物館と奈良市観光振興課、そして田原公民館とのコラボ企画「田原やま里博物館☆夏休み体験フェスタ」とのタイアップです。

田原がまるまる博物館_22

田原やま里博物館とは、奈良市が「まちかど博物館」として奈良きたまちを指定したのに続き、この田原でも工房や農園などの仕事場を博物館と見立てて公開しているものです。
田原公民館で「レジェンド」と呼んでいる各博物館の館長さんが既に前日からイベントを開催し、大盛況のうちに2日目を迎えたところです。

田原がまるまる博物館_3

メイン会場の「田原ふる里ほっとステーション」と掛け持ち従事をしている私“よったか”は、会場で朝礼を終えた後、授業を行う田原公民館へ戻ります。
数少ないバスの時間に合わせて受付を終える3人。
いよいよ本日の先生、窪田りんご園の窪田弘子さんをお迎えします。

“どすこい”の開講の言葉。
挨拶嫌いの彼は表情を固めてまっすぐ1点を見つめてしゃべります。
カメラを向けるなと言われても、そうはいきません。

田原がまるまる博物館_4

窪田先生は、地区外からお嫁入りして田原にやってきたといいます。
当初は田原が嫌いで、ご近所ともできるだけ接触を避けてきた先生。
どうしてりんご園をすることになったのか。
どうして田原の魅力をこの場で語ることになったのか。
自分の言葉で語っていく先生の話に引き込まれていきます。

田原がまるまる博物館_20

前日はNHK奈良放送の「ならナビ」にライブで出演をしたところ。
本日のイベント会場の様子も気にしながら、各博物館の紹介へ話を進めていきます。

授業の詳しい様子や内容は「ひとまちレポート」をご覧ください。
「気軽に!週末プチ茶畑旅行」
http://nhmu.jp/report/29101

配付された地図とにらめっこしながら話を聴く学生たち。
初めて田原を訪れた人は?という問いかけには半分くらいの手が挙がりました。

田原がまるまる博物館_5

さあ、田原公民館での座学はここまで。
本日の目的地はあと3ヶ所。
「2時間目」は奈良市指定文化財の松本邸に向かいます。

田原がまるまる博物館_6

田原に来たことがあるという方でも、ほとんどが県道を走り抜けて東西を移動するだけということも。
田原の魅力の神髄は細い道です。
3度の飯より細い路地が好きな私が案内します。
実りの田を越え、猪の檻を横目に茶畑を過ぎた角に、松本邸が聳えます。

田原がまるまる博物館_7

先生は、ご当主・松本陽一館長。
松本先生は田原地区自治連合会長や茗荷郵便局長を兼任される、地元ではとっても有名な名士さん。

前島密の逓信省の時代に郵便事業を始めた松本家。
江戸時代からそこにある荘厳なたたずまいの中に、小さな郵便の窓口を設けたとの話。
三間くだりの座敷に上がった学生たちは、時代を語る調度品の数々に心を奪われます。

田原がまるまる博物館_21

松本家を後にした学生一行は、「3時間目」の目的地・田原ブルーベリー園に向かいます。
“どすこい”は既に電源がOFFのよう。
学生たちに混じって付いて来ます。

田原がまるまる博物館_9

ブルーベリー園でお迎えしてくれたのは中尾さんです。
お昼までの間、渡された袋に摘み取っては詰めていきます。
美味しい実は大きくて黒く、おへそがくっきりと浮き出ているものです。
酸っぱいもの、甘いもの、固いもの、熟したもの。
選別しているうちに終了の時間です。

田原がまるまる博物館_14

チャイムの代わりに“どすこい”が「ひ、ひとま・・・」と焦っていたら、“せとやん”が滑舌良く「ひとまち大学のみなさん、お時間5分前です!お急ぎください」との呼びかけ。
今度は、マナーモードに切り替わる“どすこい”・・・。

摘み取りを終えた一行は「夏休み体験フェスタ」の会場である田原ふる里ほっとステーションへ。
お腹を空かせた学生たちを迎えたのは、なんと!仲川学長!!
(驚きのあまり写真はございません・・・ここは宣材写真でご了承ください。)

田原がまるまる博物館_23

賑わっている会場と奈良ひとまち大学の授業の様子をご覧になって、にこやかなご様子。
「市内から田原へ来られる方をもっと増やすため、姉妹地域という考え方もありますね」とご挨拶。
直後には、しかまろくんも応援に駆けつけてくれました。

田原がまるまる博物館_15

本日の給食(昼食)は、地元・田原産の食材をふんだんに使った「田原やま里弁当」です。
田原のお茶で喉を潤しながら、外のテラスでいただきます。

田原がまるまる博物館_16

太陽が真上に来た頃ですが、各体験のブースは大人気。
行列ができているところもあります。
食事を終えたみなさんは、各ブースの見学へ。
職人たちが生み出す数々の技に魅了されていました。

田原がまるまる博物館_17

さあ、午後からの「4時間目」は、田原ほっとステーションの2階へ移動。
岡井麻布商店の岡井孝憲館長の登場です。
岡井先生は、江戸時代に創業した老舗麻工房の店主。
手織りで織り上げる「奈良晒」は、その風合いと涼やかな手触りが人気の伝統産業です。
今回は明治時代から伝わる8畳サイズの蚊帳の中に入っての授業です。
吹き抜ける風に揺れる蚊帳のにおい。
岡井先生は、昔から伝わる手紡ぎの糸を使った麻布の魅力を力強く語ってくださいました。

田原がまるまる博物館_18

奈良ひとまち大学をきっかけに田原地区に初めて足を運んだという半数の学生たち。
そして、何度も来ていますという方にも新たな発見を提供する。
今回の授業はそんな機会になったはずです。

田原の魅力はお茶、米、自然。
一見するとそうですが、やはり人です。
みなさんをおもてなしし、田原を楽しんでもらう、田原を好きになってもらうことが、田原の方たちの何よりの喜びです。
そんな思いがあるから、何度も足を運びたくなるんでしょう。

田原がまるまる博物館_13

1日どっぷりと肩まで田原につかった学生たち。
心が渇いたらきっとまたこの地に帰って来てほしいと思います。

オマケ:
授業終了後、蚊帳の中でゆっくりくつろぐスタッフと先生の図です。

田原がまるまる博物館_19

(よったか)

苦手を克服?

2017.07.29 | 授業 | by Staff

7月29日(土)、「純正」の奈良漬に興味のある方29人が集まり、元祖純正奈良漬製造元・株式会社今西本店を訪れ、工場や店舗を見学し、美味しさの秘密を探ってきました。

そして、この私。
奈良ひとまち大学スタッフとして初参加しました!
ブログも初体験!!

苦手を克服?_1

そんな私のいきなりの告白ですが・・・。
ワタシ、奈良漬苦手です。

苦手を克服?_3

今回私が奈良ひとまち大学のスタッフとして選ばれたのは何かのご縁?
そう思うものの、少し構えながら現地に向かいました。

苦手を克服?_2

まずは店内へ学生のみなさんと入店。
匂います!すごく匂います!!
でもでも、何か違う・・・?
奈良漬が苦手だという方の多くは、匂いが苦手で口に入れるところまでたどり着かない。
私も、もれなくそのひとり。
高校時代を奈良駅周辺で過ごした私は、商店街を歩くたびに、奈良漬店の前を通るときは、鼻をつまんで、息を止めながら、さらに小走りもしくはダッシュ(汗)。
(奈良漬店さん、ごめんなさい。)
ところが今回、息ができたんです。
と言うと大げさなようですが、それほど匂いが苦手で耐えられなったはずの私が、なぜか「あんがい大丈夫やん」と思ったのです。

苦手を克服?_7

そして工場を見学させていただく際、扉を閉めた空間で耐えられるのか心配でしたが、みなさんの想像する奈良漬の酔いそうな匂いとは違い、どちらかといえば、鼻を突くような酸味と塩分の匂いとでもいいましょうか、ご飯がほしくなる匂いとでもいいましょうか。
奈良漬ファンの方にはきっとたまらない匂いなんだと思います。
日本で唯一の「純正」今西本店の奈良漬だからこそ、これが本物の匂いなのでしょうね。

苦手を克服?_4

そして、苦手目線の私から見た参加者の様子は・・・。
みなさんホントお好きな方が集まったのでしょうね。
本日の先生、代表取締役の今西さんのお話と動きに合わせて、写真・写真・写真・・・写真撮影の嵐!!
芸能人か有名人?とでも言いましょうか、店主の魅力的な話術と奈良漬に対する熱い思いがみなさんを引き込んでいったのでしょう。

苦手を克服?_8

斯(か)く言う私も、そのひとり。
いつの間にか苦手だったことを忘れ、奈良漬の中に漬かりそうな勢いで樽をのぞき込んでいました。

苦手を克服?_5

授業の様子は、「ひとまちレポート」もご覧ください♪
「これぞ本物!『純正』奈良漬の秘密」
http://nhmu.jp/report/28666

工場見学の後は店内に戻り、さらに店主の奈良漬に対しての思いが語られます。
実際に店舗で販売されている奈良漬について種類ごとに説明があり、今西本店の歴史、奈良漬の種類、漬け込む年数、産地、失敗例など、包み隠さずお話しいただきました。
店内でお話を聞いている間も、来店客の足は途絶えません。
代表取締役のお話を一緒になって聞いていかれ、「ラッキーだったわ!」と仰る方もいました。
しかし、なかには授業終了までお待ちいただいたお客さまもおられ、大勢で店内を独占してしまい大変ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。

苦手を克服?_6

こうして今回の授業「日本で唯一の『純正』奈良漬って? ~昔ながらの製法を大切にした奈良漬~」が、無事終了しました。
冒頭から、奈良漬苦手なんです発言をしてしまった私ですが、奈良漬の魅力と守り続けておられる「本物」を知ることができ、これからは奈良人として、少しは奈良の美味しいもん「奈良漬」を語ることができそうです。

(rain-d)

夏空や 心に染み入る 坐禅かな

2017.07.23 | 授業 | by Staff

今日は、奈良に数少ない禅寺での授業「地元で愛される禅寺のおはなし ~三松寺の住職トーク&坐禅体験!~」でした。

夏空や 心に染み入る 坐禅かな_1

三松寺の境内に入ると、まず漆喰塗りの門に仏像が鎮座されていました。
その下をくぐり抜け、中庭に出ると百日紅(さるすべり)の花が咲き、その下に蝉の抜け殻を発見!
夏の到来を感じました。

夏空や 心に染み入る 坐禅かな_2

本堂は唐破風の屋根の立派な建物です。

夏空や 心に染み入る 坐禅かな_3

その右に座禅道場、左に事務所がありました。
本堂の左脇から渡り廊下に上がると、よく手入れされた庭が見渡せます。

授業前に本堂の縁側で、今回の授業の先生、三松寺住職の皆川大眞さんと細かな確認をしました。

夏空や 心に染み入る 坐禅かな_4

これらの準備が整いますと、1人・・また1人と、学生さんが訪れてきました。
授業を前に本堂の仏様にご挨拶する方もいて、とても感心させられました。

夏空や 心に染み入る 坐禅かな_5

授業が始まりました。
授業の様子は、「ひとまちレポート」をご覧ください。
「スマホを手放して、何も考えない40分の座禅体験」
http://nhmu.jp/report/29087

まずスタッフからの授業の説明、そして先生の紹介、みんなで合掌。
先生曰く、「挨拶」という言葉も仏教用語なのだそうです。
知らなかった~(^^;。

夏空や 心に染み入る 坐禅かな_6

その後、みなさんは別室で道着に着替え、本堂にて寺の縁起(歴史)を教えていただきました。
三松寺は奈良時代の延暦4年(785年)に開かれたそうです。
桓武天皇の皇后の藤原乙牟漏(おとむろ)が万民富楽を念じた勅願寺として建立された当初は、現在の奈良市富雄地域の三松町にあったそうです。
寛永16年(1639年)に大和郡山藩の城代家老・松下将監の菩提供養のため、現在の七条町に曹洞宗の寺院として再建されたとのこと。
時折、笑いを誘うようなエピソードも交えながら語ってくださいました。
このように由緒ある寺での座禅体験、楽しみですね。

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いよいよ座禅についての授業です。
座禅の手の組み方から、心得まで教えていただきました。

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合掌と礼をして道場に入り、それぞれ座布団に着座しました。
まずは、身体を揺らしたり、捻じったりしてリラックス♪
それから先生の指導を受けながら姿勢を正して心を整えます。

夏空や 心に染み入る 坐禅かな_9

太鼓と叩き板の合図で瞑想に入っていきます。
叩き板の中心が深く抉(えぐ)れているのを見て、道場の長い歴史を感じました。

夏空や 心に染み入る 坐禅かな_10

先生は、座禅する学生のみなさんたちに、力強くも優しい声で説法をされていました。
「自分の思い込みという主観を捨て去り、自然に戻す」
「周りの音は聞こえるに任せる」
「自分の生命の働きに感謝し、そこから周りに感謝する」
「周りの人の幸せを祈ると、お顔も穏やかになるものです」
など、みなさんの心に語り掛けていきます。
調身・調息・調心の禅の3つの基本を、わかりやすく話してくださいました。

夏空や 心に染み入る 坐禅かな_11

座禅を終えるとまた本堂に戻り、みんなで「釈尊のことば」を音読しました。

夏空や 心に染み入る 坐禅かな_12

授業を終えたみなさんのお顔は、とても穏やかでスッキリした様子でした。

(やまたろ)