「奈良の地はわが国美術の粋とも称すべき古建築の淵叢(えんそう)たり。
世人すでに似而非(えせ)西洋風建築に嫌厭(けんえん)す。
宜しく本邦建築の優点を採るべし」
※『奈良国立博物館 仏教美術資料研究センター ~重要文化財 旧奈良県物産陳列場~』より一部抜粋
この文言は、1894年(明治27年)竣工で奈良初の近代建築とされる、旧帝国奈良博物館本館(現:奈良国立博物館なら仏像館)のネオバロック風の外観が、奈良公園に似合わないとして一般には好評ではなかったことから、次に予定されていた旧奈良県庁舎(現在は解体保存中)の建設にあたり、当時の県議会が設計者への要望として伝えられた際のもの・・・だそうです。
えっ?
いきなり何??
なにやら堅苦しい文章を冒頭からぶっこんでいますが・・・
実は、南都銀行本店、奈良ホテル、奈良仏教美術資料研究センターと、これまで3回にわたって開催してきた奈良の近代(レトロ)建築シリーズ第4弾となる授業「奈良が誇る美しい近代建築 ~奈良女子大学記念館をディープに探索~」についての案内をさせていただきたいのです♪
冒頭の文章は近代(レトロ)建築シリーズ第3弾の授業「奈良で生まれた近代和風建築 ~探訪、仏教美術資料研究センター~」でお話いただいた内容の一部です。
明らかにモダンな西洋建築である「なら仏像館」のそばにありながら、対照的な近代和風建築である仏教美術資料研究センター。
当時、奈良県の技師だった関野貞さんは、旧奈良県庁舎を模範とし、それに続く県の施設として設計したと言っています。
明治期の奈良に住んでいたみなさんの思いや当時の風景がイメージできますね☆
そこで、やはり気になるのが、奈良仏教美術資料研究センターの7年後となる1909年(明治42年)に建てられた奈良女子大学記念館(旧奈良女子高等師範学校本館)です。
奈良の近代建築と言えばやはり、この奈良女子大学記念館を思いつく方も多いのではないでしょうか?
この話の流れでいけば、この建物も近代和風建築になっていてもおかしくないですが、ご覧のとおり、和風建築からは程遠い異国情緒たっぷりの建築ですよね!!
このことについて今回の授業の先生・上野邦一奈良女子大学名誉教授にお伺いしたところ・・・一言。
「奈良公園からは少し離れているからじゃないかな?」
「・・・・。」
たしかに(納得)。
奈良の中心地全域に規制があったわけではなさそうですね。
それとも、別の事情があったからなのか?
ともかく、そこまで詳しい資料は残っていないようです。
さて、今回の授業では、アンケートでも要望が多く挙がっていました、奈良女子大学記念館の中をディープに探索していきましょう☆★☆
奈良女子大学記念館の見学と言えば、毎年春と秋に一般公開をしていますので、このブログをご覧の方のなかにも、館内に入ったことのあるよ~って方がいらっしゃると思います。
2015年は改修工事のため一般公開はなかったのですが、その工事が2016年3月に終了するとのことで・・・
なんとこの度、どこよりも早く奈良ひとまち大学の授業で!リニューアル後の館内を見学していただけることとなりました!!!
奈良女子大学の関係者の方に感謝、感謝です☆
そこで、今回、みなさんに授業のご案内をするべく、改修工事中の館内に特別に入れていただきました。
こちらは玄関から入ってすぐ左手(南側)、応接室や宿直室があったところだそうです!
改修工事と聞いていたので、あちこちビニールが貼られてあるのかと想像しましたが・・・
意外とさっぱり☆
こちらは講堂です。
おそらく、授業当日は、創立当初からあるとされる長椅子が並べられているはず・・・。
階段もめっちゃレトロですねぇ・・・
こういうのを見るとワクワクしてしまうのは私だけでしょうか?
ほとんどが当時のままだとのことで、なるべく近代建築の良さをそのままに、現在に遺していることがわかりました。
授業では・・・
建築秘話や建物の特徴、改修についてやその思いについて、1994年(平成6年)の重要文化財指定前に行われた改修工事にも関わられた上野教授にお話いただくとともに、館内をディープにご案内いただきます。
このブログの写真を見るだけではなく、ぜひ実際に歩いてレトロな雰囲気を味わってみてください。
たくさんのお申込をお待ちしています!!
授業申込はこちら↓↓
http://nhmu.jp/class/25172
(もじゅ)